東京・麻布台ヒルズのホテル「ジャヌ東京」では、盆栽アーティスト「TRADMAN’S BONSAI」とのスペシャルなコラボレーションを展開中だ。クリスマスツリーに見立てた荘厳な盆栽がホテルを彩るほか、盆栽からインスピレーションを受けた限定ディナーやカクテルなども登場し、日本の伝統文化をモダンに昇華した唯一無二のひとときを堪能できる。
1988年、タイ・プーケット島に「アマンプリ」を開業して以来、世界中に究極のラグジュアリーホテルを築き上げてきた「アマン」。そんなアマンの姉妹ブランド第一号として、2024年3月に誕生したのが「ジャヌ東京」だ。サンスクリット語で“魂”を意味するジャヌは、人と人とのつながりを育むことで心身の調和を取り戻し、歓びを分かち合うことをコンセプトにしている。
インドネシア・モヨ島の「アマンワナ」やカリブ海・タークス・カイコス諸島の「アマンヤラ」などを手掛け、長年アマンと縁のあるジャン=ミシェル・ギャシー率いるデニストン設計事務所がインテリアデザインに携わったジャヌ東京は、ヨーロッパのエッセンスに日本の伝統的なディテールを合わせた、ラグジュアリーながら心落ち着く空間。
全122の客室のほかに、充実した8つのレストラン&バー、そして絶景を望むプールや都内ホテルでは最大級のジムに、スパハウスを有する総面積約4000㎡のウェルネス&スパまで完備する。日本古来の伝統文化を内包しながらもさまざまな表情を持つこのホテルでは、五感を刺激し魂を揺さぶられるステイが叶うのだ。ミシュランガイドのホテルセレクションで2年連続「2ミシュランキー」も獲得している。
そんなジャヌ東京の館内をこれまでも彩ってきたTRADMAN’S BONSAIは、日本の伝統文化である盆栽を世界に伝えようと、2015年に小島鉄平が立ち上げた盆栽アーティスト集団だ。盆栽に込められた“おもてなしの心”や“利他の精神”を大切に抱きながらも、ストリートカルチャーやファッション、アートシーンと融合することで、伝統を守るだけでなく革新的な進化を目指す。実際にカルティエなどラグジュアリーブランドのイベントディスプレイや、「ニコライ バーグマン 箱根 ガーデンズ」との共同展示会などその活動はボーダレスで、常に新たな表現に挑み続けているのだ。
創業者で盆栽プロデューサーの小島鉄平が「盆栽は長い時間と人の手によって紡がれてきた“つながり”そのもの。その在り方はジャヌ東京が大切にする価値観とも共鳴するものだと感じています」と語る通り、伝統と革新が響き合い、人と人をつなぐ場所として歩み続けるホテルと、TRADMAN’S BONSAIのビジョンは通じ合うことから今回のコラボレーションが実現した。
ホリデーシーズンに湧きたつレセプションの前には、クリスマスツリーに見立てた「フェスティブ盆栽」がお目見え。ダイナミックに枝葉が広がる盆栽にはモダンなオーナメントがあしらわれ、和洋折衷の見事なバランスは館内のインテリアにも自然に馴染む。この他にも新年を華やかに祝う盆栽など、館内の至るところに合計15もの鉢がデコレーションされるうえ、展示は週ごとに入れ替わる。のべ100種類を超える作品を愛でられるので、いつにも増してホテル内を巡る楽しみが高まるだろう。
美食×盆栽の意外なマリアージュに酔いしれる
東京タワーを間近に望む4階のレストラン「ジャヌグリル」では、盆栽や日本文化を表現した全5品の「フェスティブディナーコース」が登場。オープンキッチンで腕をふるうシェフたちの活気あふれる姿とは対照的に、店内には静謐を纏う盆栽が鎮座し、ディナーがサーブされる前からその独特な空気感に惹き込まれていく。
まずいただく前菜は、オマール海老やヒラメ、サーモン、アボカドを重ねたガトー仕立て。その重なり合う色彩は、山河や植生が織り成す雄大な自然を鉢の中に表現した、盆栽の世界観そのもの。そして艶やかに輝くキャビアやイクラは、豊穣をあらわしているかのようだ。続くスープは、まろやかな蕪に鴨肉のコクを加え、木の芽と柚子が爽やかなアクセントになった豊かな和の味わい。
魚料理は、その日おすすめの魚をパイ包みにしたもの。盆栽の枝張りを想起させる丸みが美しいパイはサクッとした食感で、ふっくらとした魚の身とのコントラストを楽しめる。メインを飾るのは、まつなが牛テンダーロインをグリルした逸品。真柏の幹のうねりを表現したマッシュポテトが添えられ、和の趣を高めている。
真柏とは盆栽の世界で古くから愛される樹木、ミヤマビャクシンのこと。育てるほどに白く枯れたような風合いになる幹肌と雨風に晒されねじれた幹、そして相反するように生き生きと育つ緑の葉が、“生と死”を象徴している。食事とは、命をいただく尊いこと。真柏モチーフに彩られたひと皿を味わうと、古来より大切にされてきた日本らしい考えまで思い起こされた。
そしてまるで苔玉のような愛らしいデザートは、黒ゴマのパンナコッタだ。和と洋の素材が溶け合い、盆栽の繊細な佇まいをあらわしている。さらにシェフソムリエが厳選した「フェスティブディナー ペアリングワイン4種」(¥8,800)も揃う。ひと皿ひと皿の味わいにより深みと奥行きを持たせるセレクトも、是非楽しみたい。
ホテルのシグネチャーバー「ジャヌ バー」では、TRADMAN’S BONSAIがつくりあげたクラフトジン「松葉ジン」を用いたオリジナルカクテル「Re:Balance」を味わえる。ジン・ベルモット・カンパリを合わせたクラシックなカクテル・ネグローニをもとにジャヌ東京のオリジナル煎茶など和の素材を取り入れ、フレッシュな一杯に仕上げた。ミクソロジストが生み出すユニークなシグネチャーカクテルが豊富に揃うバーだけに、期間限定のカクテルも独創的で目にも鮮やかだ。
この他にも11月から宿泊者限定で、盆栽の奥深い世界に触れるカルチャーエクスペリエンスがスタート。都内近郊にあるTRADMAN’S BONSAIのシークレットギャラリーへ訪れるプライベートツアーは、盆栽の哲学や美学に間近で触れることのできるまたとない機会だ。そして都内で開催される少人数のワークショップでは、自分だけのオリジナル盆栽をつくることができる。講師からレクチャーを受けながら剪定や苔の貼り方を学ぶひとときは、無心になって自然と向き合い、自分の心をも整えられるリトリートになるはずだ。
真のラグジュアリーとは、人や文化に触れることで、喜びと学びに満ちた豊かなひとときを過ごすこと。ジャヌ東京とTRADMAN’S BONSAIとのコラボレーションは、そんなことに気づかせてくれる。特別な時間が流れる祝祭の季節だからこそ、ジャヌ東京で極上のラグジュアリーを味わいたい。
ジャヌ東京
開催期間:2025年11月22日~2026年1月15日
住所:東京都港区麻布台1-2-2
TEL:03-6731-2333
www.janu.com