Pen編集者16名が初公開!我が愛読誌、教えます。

Penでも、ミニ四駆特集をやろうではありませんか。

コロコロアニキ

杉浦 周

ハイパーダッシュモーター、ウルトラダッシュモーター、アルミベアリングローラー……。小学生の頃は、ミニ四駆に夢中になり、さまざまな別売りパーツで車体を改造しました。いかに軽量化し、風の抵抗を受けず、強力なモーターでスピードアップできるか。子どもなりにあれこれ考え、工具を使って小さなクルマをつくっていくのは、実に楽しいものでした。

こうしていま思い返してみると、ミニ四駆っていまでもけっこう楽しめそうだな、と思うのは僕だけではないはずです。おそらくそんな市場を睨んで刊行されたのが、この「コロコロアニキ」なる雑誌。ミニ四駆情報満載の本家コロコロコミックは現在も続いていますが、この“アニキ”のほうは、「中学生から大人まで、すべてのコロコロ卒業生に贈る新雑誌」と銘打って、先月創刊されたばかりです。内容は20年前の読者だった我々にささる、懐かしいラインアップです。

たとえば、『つるピカハゲ丸』。めちゃくちゃ懐かしいです。その作者であるのむらしんぼ先生が、自身も深く関わったコロコロコミック創刊時の秘話や、いまは仕事がなく家族も離散という現状……などのストーリーを懐かしの画風で展開しています。

そして何より僕を興奮させたのが、ミニ四駆でさまざまな対決を繰り広げる人気漫画『爆走兄弟レッツ&ゴー』の続編です。大人になった主人公のひとり、星馬豪はF1レーサーに。その息子がミニ四駆で活躍するという設定です。

昭和40年生まれの男性をターゲットに、その世代のこれまでの流行を振り返る「昭和40年男」(クレタパブリッシング)という雑誌が売れているようですが、コロコロアニキもその流れでしょうか。大人になったいま、当時、流行っていたものを改めて楽しんでみようじゃないか、というムーブメント。コロコロアニキは早くも売り切れで、雑誌としては異例の重版が決定したそうです。来年3月に発売予定の第2号では、『ダッシュ!四駆郎』も復活するというから、この分厚いコミック誌に再びハマるのは間違いなさそうです。
コロコロアニキ

元レースクイーンが、息子がいちばん似ているからという理由で、父親は豪だと判断。そんな設定も、大人向けです。(表紙・誌面写真:青野豊)

コロコロアニキ
小学館
不定期発売(次号は来年3月15日発売予定)
¥620
2014年創刊
編集長:村上 孝雄