Pen編集者16名が初公開!我が愛読誌、教えます。

胸がキュンとなる、赤文字系の誘惑。

JJ

吉田 克典

今回、愛読雑誌を挙げろと言われ、何だろうと考えた。ブルータス、カーサ、レオン、サファリ、GQ、メンクラ、ポパイ、ダンチュウetc……このあたりの雑誌は毎号、目を通している。が、これってなんとなく競合誌に近いので仕事上読んでいると言えばそうなるかもしれない。

ガールフレンドの家で読む女性誌、たとえば「VERY」、これもよくできていて好きな雑誌だが、愛読書かというとクエスチョンだ。そんなこと考えながらいろいろ雑誌を思い浮かべていたら、そういえば、と思える雑誌があった。光文社から発刊されている「JJ」がそれだ。

1975年、女性自身の別冊として出されたから、その頭文字をとってJJと名付けられた(中国語で姉、姐姐からきているという説も)。いわゆる赤文字系女性誌の代表選手だ。1980年代当時誌面に登場した、吉川十和子、高橋亮子、小川エレナといったモデル、さらにいまでいう読モたち(有名大学の女子大生やOL)は、ハマトラ、ニュートラといったコンサバファッションに身を包み、レイヤーカットのヘアを風になびかせ颯爽としていた。スナップという手法を開発し、素人をモデルに起用したという点は画期的で、後の女子大生ブームの火付け役にほかならないだろう。

付属高校あがりの小生は、体育会の運動部に友人が多く、ヨット部、ラグビー部、アメリカンフットボール部などの合宿所に遊びに行く機会が多かったのだが、その合宿所のトイレやベッドの周りにはなぜか必ずJJが置かれていたものだ。自分のガールフレンドや友達が出ていたからなのか(そんなことがステータスだった、おおらかな時代)、はたまた何か別の理由があるからなのかは定かではない。その誌面に出ている読モたちは、パワーみなぎるスポーツ男子たちのセックスシンボルだったのかもしれない。読者参加型というスタイルで、同世代の女子はもちろんのこと、男子たちをも虜にした稀有な雑誌だったといえる。

あれから30年、美容室でしか見ることがなくなったが、いまでは青文字系雑誌に変貌し、ややモードの香りがする誌面構成や、ビジュアルはかつてのそれとは一線を画すが、やはりそこはJJ。モデルたちの笑顔は変わらず愛らしいもの。そして読者参加型の流れは、VERYにも受け継がれているのかもしれない。
JJ

お気に入りのページ「おしゃれな働くJJガールを探せ!」のコーナー。最新号では奇しくも我が地元、神戸の女子たちが登場し興奮した。(表紙・誌面写真:青野豊)

JJ
光文社
毎月23日発売
¥670
1975年創刊
編集長:原 さやか