Pen編集者16名が初公開!我が愛読誌、教えます。

すいません、妻が◯◯◯◯なもので…

フィガロジャポン

石川 康太

私が長年愛読している雑誌。それは、「フィガロジャポン」にほかなりません。……というと、赤裸々に自分の趣味を公開している同僚たちとくらべ、「ちょっと気取っていませんか??」と思われるかもしれませんが、いえいえ、そういう訳じゃなくて、申し上げづらいのですが「家庭内の事情」と言いますか、ストレートに言ってしまうと私の妻が、この「フィガロジャポン」の編集者だからなのです。

フィガロジャポン。それは、フランス国内で最古の歴史をもつ新聞「ル・フィガロ」の発行する「マダムフィガロ」誌の日本版。大人なモードページを中心に、世界中の旅情報やクリエイターの部屋紹介などのインテリアや映画や音楽、文学などのカルチャー案内、さらにはグルメや美容までを網羅する全方位的ライフスタイル誌です。

フランスやパリに捧げる愛はとりわけ深く、それが雑誌の核になっていますが、もちろんその編集者である妻も、例外ではありません。まず口癖は「パリ行きたい」。愛用靴はレペットで、休日はふたりの子どもとお揃いでセントジェームス、カフェオレボウルコレクターにして飲料水はペリエという、筋金入りのパリ好きなのです。嗜好のテイストを妻に近づけ、日常を円滑に進めるためにも、私の読むべき雑誌リストの筆頭となるのは必然なのです。

……とここまで書いて、なんだか「読まされている感」を漂わせてしまいましたが、もちろん半分、冗談です。遅ればせながら強調したいのは、実際、フィガロジャポンは男にとっても「使える」雑誌である、ということ。いま見るべき展覧会や映画情報、フレンチだけじゃない旬のレストラン紹介、さらに鉄板の人気特集である海外都市の詳細ガイドと、あらためてお薦めしたいページは枚挙にいとまがなく、とりわけ情報の信頼性も高いので、都市生活者にとっての最適なコンシェルジュ、といって間違いはありません。そして、毎号「新ネタ」にこだわり、これだけのボリュームをつくり上げるその努力は、隣の編集部から眺めていても感涙モノなのです。

ちなみに最新号は、私も活用すること必至の「東京ベストレストラン」特集を綴じ込みに、第1特集は「家パーティはフレンチかわいく」。今年の冬は、パリのホームパーティには欠かせないという「アペロ(食前酒)」が、我が家でも導入されそうです。
フィガロジャポン

最新号は「家パーティはフレンチかわいく。」を大特集。綴じ込みの「東京ベストレストラン」と合わせて、年末に役立つ情報がたっぷり。四十の肩にずしりと響くボリューム感です。(表紙・誌面写真:青野豊)

フィガロジャポン
CCCメディアハウス
毎月20日発売
¥670
1990年創刊
編集長:西村 緑