2026年の午(うま)年を祝うロンジンの最新作、「ロンジン マスターコレクション イヤー・オブ・ザ・ホース」は、単なる干支モデルに留まらない。発表の舞台に選ばれたのは、世界最高峰の競走馬が集う香港・シャティン競馬場。馬術競技と深い絆を築き上げてきたロンジンの歴史、そして競馬というスポーツが内包するドラマが、この腕時計には宿されている。シャティン競馬場での発表会に出席したPen編集部の時計担当が実際の着用感とともにレポートする。
最高峰のレースの場で披露された、時を超えて受け継がれる美学
「ロンジン マスターコレクション イヤー・オブ・ザ・ホース」がお披露目されたのは、香港国際競走(Hong Kong International Races)が開催された昨年12月14日。同日にG1レースが4戦組まれ、世界中の競馬ファンが熱視線を注ぐこの場所は、ロンジンと馬術界のつながり象徴する舞台でもある。
ロンジンは長年にわたり、世界各地の競馬や馬術競技で公式タイムキーパーを担い、精度と信頼性を武器にその名を刻んできた。2014年からオフィシャルパートナー兼タイムパートナーを務める「ジャパンカップ」と同様に、シャティン競馬場は、その歴史が現在進行形で体現される場所でもある。
(Hong Kong International Races)。ロンジンはタイトルパートナー兼オフィシャルタイムキーパーを務めている。
そんなアジア随一の競馬場で発表された「ロンジン マスターコレクション イヤー・オブ・ザ・ホース」は、馬を単なるモチーフではなく、“時を超えて存在する象徴”として捉えている点が印象的だ。シースルーバック越しにのぞくゴールドカラーのローターには、中国近代美術を代表する画家・徐悲鴻(Peon Xu / ピオン・シュー)の名作『奔馬図』が刻印されている。
手首の動きにあわせて(ローターが回転し)馬が疾走するさまは、競走馬がターフを駆け抜ける姿とも重なる。そして20世紀中国美術の巨匠が遺した作品を腕時計という媒介を通して現代に伝えることは、親から子へヴィンテージの腕時計が世代を超えて受け継がれるように、そして競走馬の血統が連綿と受け継がれて次の名馬を生むように、時を超えて継承される美学がそこにはある。
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赤い文字盤に宿る、名馬の記憶と情熱
ケースバックとローターに施された特別仕様のほかに、本作の特徴と言えるのが、深みのあるレッドのグラデーションダイヤルだ。サンレイブラッシュ仕上げによって、光の角度で表情を変えるその赤は、単純な「華やかさ」のひと言で片付けられない。スタンドを埋め尽くす観客の熱、ゲートが開く瞬間の高揚感、そしてゴール前で一気に加速する馬の息遣い。競馬ファンであれば、この色に感情を重ねずにはいられないだろう。
そしてゴールドカラーの針とアプライドインデックスが、赤と黒のグラデーションダイヤルにさりげないラグジュアリー感と緊張感を与え、視認性と美しさを両立させている。6時位置にはムーンフェイズと日付表示を配置。躍動的で赤く燃ゆる情熱と、月の満ち欠けという悠久の時の流れ。その対比が、この時計にさらなる奥行きをもたらしている。
ケース径は42㎜で、約72時間のパワーリザーブと耐磁性のシリコン製ヒゲゼンマイを備える。現代のライフスタイルに適合しながら、過度な主張はなく、スーツにもカジュアルにも自然に馴染む。干支モデルという限定性を持ちながらも、長く使い続けられるバランス感覚は、ロンジンの「マスターコレクション」らしい成熟の表れと言えるだろう。
最後に、香港国際競走といえば、近年日本馬の活躍も記憶に新しい。その中で、多くの競馬ファンの胸に残っているのが、香港マイルを走り切り、ターフを去ったソウルラッシュの姿だろう。惜しくも2着でのゴールとなり、有終の美を飾ることはできなかったが、勝利だけが物語ではない。全力で駆け抜け、去り行くその背中に、競馬というスポーツの美しさを見た。そして競走馬としての役目を終えても、その魂は受け継がれる。芸術も腕時計もまた然り。時を重ね、志をともにし、次の世代へとバトンをつなぐ。「ロンジン マスターコレクション イヤー・オブ・ザ・ホース」はそんな物語に想いを馳せる一本だ。
ロンジン
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