初代「ダーク サイド オブ ザ ムーン」の発売から12年。 世界中のコレクターを魅了したコレクションの最新作は、革新のセラミックと新たにデザインされたストラップを纏う。
宇宙をテーマにした腕時計は数あれど、地球から月面へとその軌跡を初めて刻んだのは、ただひとつ。それがオメガのスピードマスター、通称ムーンウォッチである。2013年には、そのスピードマスターをモダンに再構築し、革新的な技術とセラミック加工を融合させた「ダーク サイド オブ ザ ムーン」が登場。ロマンと革新、そしてレガシーを受け継いだこのコレクションは、瞬く間に世界中のコレクターを魅了した。そして今回、12年の時を経て、個性豊かな4種類のダイヤルを備えた7つの新モデルが、満を持して加わる。そのすべてに、オメガがこれまで培ってきた宇宙への敬意と、未来への革新性が息づいている。
数々の進化を遂げた本コレクションにおいて中核を担うのが、オメガが誇るセラミック加工技術だ。セラミック素材は、硬質で耐久性に優れる一方、加工がきわめて難しいという“諸刃の剣”でもある。時計ケースの製造には、一般的なステンレススティールの約20倍もの工程を要するとされている。本コレクションでは、4年もの歳月を費やして完成させた面取りポリッシュ仕上げの高度なセラミック技術により、精度・奥行き・輝きのすべてにおいて、かつてない表情を実現。まさに、オメガが誇る技術の粋が集約されているといえる。またトレンドに左右されない44.25mmの存在感を保ちながらも、フォルムはより洗練され、シャープに進化した。
さらに、強化されたリキッドメタル技術をベゼルとリューズに採用し、耐久性と耐傷性を一段と向上。加えて、革新的な二層構造のセラミックダイヤルが生み出す陰影は深く、レーザーブラッシュ仕上げによる精緻なテクスチャーが光を巧みに捉え、その表情を豊かに変化させる。
ムーブメントには、7つのモデルすべてにマスター クロノメーター認定を取得したキャリバーを搭載。スイス連邦計量・認定局(METAS)の厳格なテストをクリアしたこのムーブメントは、磁気耐性・精度・耐久性のすべてで最高水準を誇り、オメガの確かな信頼性を体現している。
そして、このコレクションのために新たにデザインされた、ラバーおよびナイロン製ストラップの存在も見逃せない。気品を漂わせる佇まいに、スポーティーな軽快さを融合させ、日常からフォーマルまで幅広いシーンに対応。好みやシチュエーションによって選べる豊富なバリエーションが、装う楽しさをさらに広げてくれる。
宇宙への畏敬。革新のセラミック。そして、オメガの伝説的コレクションに技術と情熱が結実した本作は、時計界に新たな衝撃を与えるに違いない。
スピードマスター ダーク サイド オブ ザ ムーン/アポロ8号のジム・ラヴェル船長が残した「月は本質的にグレーだ」という名言にインスピレーションを得た、グレーモノトーンのモデル。ムーブメントにはレーザー加工を施し、月面のテクスチャーを精密に再現。史上初めて月の裏側を目にしたアポロ8号の乗組員に敬意を捧げる、象徴的な一本だ。手巻き、セラミックケース、ケース径44.25㎜、パワーリザーブ約50時間、シースルーバック、ラバーストラップもしくはナイロンストラップ、50m防水。¥2,321,000

谷田部 凱
エディター/ライター
文化服装学院アパレルデザイン科を卒業後、独学でWebライターとして活動を開始。徳間書店のモノ・トレンド誌『GoodsPress』編集部にて約2年間の編集経験を経て、現在はフリーランスとして活動中。ファッションや時計をはじめ、家電、オーディオ、ウェルネス、モビリティなど、多彩なカルチャーに関心を寄せている。近ごろはランニングやサウナ、自転車に熱を上げる日々。