グランドセイコーから、粒揃いの新作が続々登場した。「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2025」で発表された“年差”で±20秒の高精度を誇るスプリングドライブ搭載モデルのいっぽう、メカニカルムーブメント搭載モデルもクロノグラフ、ハイビート、30㎜の小径と目移りを誘う。
1. エボリューション9 コレクション スプリングドライブ U.F.A.モデル

「エボリューション9 コレクション」に登場した高精度スプリングドライブは、日差でも月差でもなく“年差”が±20秒という驚異的なスペック。「U.F.A.(Ultra Fine Accuracyの略)」の名に自信とプライドが覗く。搭載した新ムーブメント「キャリバー9RB2」には、スプリングドライブでも初めて、精度補正の緩急スイッチを採用し、使用し続けて精度のずれが発生したとしても、アフターサービス時に補正が可能だ。ブライトチタン製ケースのレギュラーモデルと、プラチナ950製ケースの限定モデルはどちらもザラツ研磨によって鏡面と稜線が美しい仕上げ。樹氷を表現したダイヤルの淡いブルーは、限定モデルではわずかに深みを加えられている。


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2. スポーツコレクション トーキョー ライオン テンタグラフ

搭載するキャリバー9SC5「テンタグラフ」は、毎秒10振動のハイビートが生む精度と、クロノグラフ作動時でも最大約3日間のロングパワーリザーブを両立した最新鋭機、垂直クラッチとピラーホイールを装備する設計も評価が高い。その現代の名機を、グランドセイコーのシンボルである獅子のイメージで具体化したのが「Tokyo Lion」たる所以だ。ケースはグランドセイコー独自の先進素材であり、ステンレス・スチールの約2倍の硬さを持つ“ブリリアントハードチタン”。獅子の力強い爪をモチーフとし、金属の塊を削ぎ落としたような大胆な造形に仕上げている。獅子のたてがみが風になびく姿にインスピレーションを得たモチーフのダイヤルには、別体のサブダイヤルと多面カットのインデックスがリズム感を加えている。
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3. エボリューション9 コレクション メカニカルハイビート36000 80 Hours 2025年限定モデル

ダイヤルに岩手山を表現した魅力的な限定モデルが登場した。搭載するムーブメントは毎時36,000振動のハイビートであり、かつ約80時間のロングパワーリザーブを誇る。しかも薄型の「キャリバー9SA5」だ。ダイヤルはグランドセイコーのメカニカルモデルの製造を担う「グランドセイコースタジオ 雫石」から望む名峰・岩手山を鳥瞰で眺め、尾根筋をイメージした放射状のパターンを施している。新しい「岩手山」ダイヤルカラーには、山を包み込む静澄な空気と水の心象に重なる“クリアブルー”が選ばれた。ケースとブレスレットに使用する独自素材「エバーブリリアントスチール」の、ヘアライン仕上げの部分が一層白く輝くという特性を生かした仕上げも美しい。全世界での販売数は1,200本のみに絞り込まれている。
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4. ヘリテージコレクション 62GS メカニカル 30㎜

直径30㎜に切り詰めたケースサイズに、自動巻メカニカルムーブメント「キャリバー9S27」を搭載するモデル。グランドセイコー王道デザインを執るヘリテージコレクションの中で、ブラントとして初の自動巻メカニカルモデル「62GS」を現代的解釈によってアレンジする連作だ。厚さ10.5㎜は、現行のグランドセイコー自動巻メカニカルの中で最も薄く仕上がった。繊細なパターンをグレイッシュなピンク色で表現する印象的なダイヤルモデルは「グランドセイコースタジオ 雫石」が位置する東北で見られる幻想的な情景「桜隠し」から発想を得たもので、コレクションでは38㎜径の「SBGH341」に続く採用。桜花を降雪が覆い、春の雪と桜が共存する圧巻の光景を、ダイヤルに凝縮。もう一つのモデルは、春の晩に咲き誇る桜を朧月が照らす「桜月夜」を、光や角度により変化するニュアンスを味わえる繊細な型打ち模様とシルバーカラーで表現する。
