初上陸の五島列島と平戸島の視察(という名の宝探し)。長崎の伝統文化を感じる場所・モノ・食6選

  • 写真・文:鈴木修司

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ビームスジャパンの鈴木修司です。こちらの連載もとうとう15回目となりますが、日本各地の魅力をまだまだ紹介出来ておらず、良い意味で先が見えていません。

今回の旅の舞台は、久しぶりに色々と見て回った長崎県です。

前回の長崎はコロナ禍前の“おくんち”の時であったので、おそらく4、5年ぶりです。いきなり話が逸れますが、“おくんち”は一生の想い出です。当時のビームス長崎の店長に案内してもらい、街中のいたるところで見た各町内の“演し物(だしもの)”が想像を遥かに超えた素晴らしさでした。まさに五感に響くもので、疲れや時を忘れるほどに夢中になってソレを追っかけた思い出があります。

さて、今回の旅の主目的は、初上陸の五島列島と平戸島の視察(という名の宝探し)、そして波佐見での商材の仕込みでした。

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1.五島列島の「教会」

長崎空港に着いてすぐに長崎港へ向かい、事前に調べていた時刻の高速船に乗り、一路、五島列島(中通島)へ。
さすが高速船、奈良尾港にあっという間に着きました。日が暮れるのが早いので、各所に点在する教会を訪ねることができないのを恨めしく思いながら通り過ぎ、五島列島の特産品を物色です。

ビームス鈴木15_カトリック中ノ裏教会(五島).jpg
カトリック中ノ裏教会

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2.“潜伏キリシタン”の文化伝統を感じる「頭ヶ島天主堂」

ビームス鈴木15_頭ヶ島天主堂(五島).jpg

翌日は朝早くから島内を見てまわって、もっとも感動したのが中通島の東端に位置する“頭ヶ島天主堂”でした。

私が説明するまでもなくココは、同じく長崎県“島原”と熊本県“天草”と合わせて、“潜伏キリシタン”の文化伝統において世界遺産とされた場所です。
それを題材とするマーティン・スコセッシ監督の映画『沈黙』も観ていましたし、過去に天草には何度も触れていたので、私なりに感じることができました。私の拙い説明では到底ご理解頂けないと思うので、気になる方は是非とも、五島列島や天草を訪れてみてください。

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3.名物のアゴ出汁と卵に潜らせて頂く「五島うどん」

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そして五島列島といえば、“五島うどん”。ずっと現地で食べてみたいと思っていたのですが、感動でした。茹でたてのうどんを名物のアゴ出汁と卵に潜らせて頂くのですが、感動級の美味しさです。クセになりそうです(自宅用に買い込んでしまいました)。

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4.長崎、波佐見の歴史と文化に強く紐付いた「コンプラ瓶」

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後ろ髪を引かれながらも五島列島を後にし、長崎市内に戻ります。話が長くなるので市内での夕食については割愛しますが、翌朝に焼物の産地である“波佐見”に向かいます。すでに“波佐見焼”は人気ですが、ビームスジャパンが以前より推しているのは、“コンプラ瓶”と呼ばれる輸送用の磁器の容器です。

調べればすぐに出てくる情報ですし、私の著書『銘品のススメ』でも語らせて頂いているので説明を省きますが、長崎や波佐見の歴史や文化を語る上で非常に重要なものです。17世紀頃に日本から西洋に醤油や酒などを船で輸出する際の容器なので、味のあるオランダ語の書体で名前が書かれています。その味のある書体で「BEAMS JAPAN」と専門の職人さんに書いて頂いたオリジナルの万能容器がこちらです。もちろん新規商材の仕込みもバッチリと済ませてきたので、来年の春以降に乞うご期待です。

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5.かつて日本の文化の最先端エリアだった「平戸島」

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次に向かうは平戸島です。以前から行きたかった場所ですが、ここ平戸島は、安土桃山から江戸時代にかけて、日本の最先端地域であったと言っても過言ではないでしょう。

平戸の町中には往時を想像させる史跡だらけです。言わずと知れた偉人“ザビエル”を祀った“平戸ザビエル記念教会”、イギリスなどの商館跡地、代々続く“松浦家”の平戸城、とくに鎖国下に貴重であった海外との繋がりをそこかしこで感じる魅力的な場所でした。

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6.生月島の「ちゃんぽん」

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最後にまた、食べ物のお話を。平戸島の西端にある生月島、寺田食堂で頂いた“ちゃんぽん”は、素晴らしく美味しかったです。麺より具の方が多いんじゃないとツッコミたくなるものでしたが、私のベスト・オブ・チャンポンです。

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連載記事

鈴木修司

BEAMS JAPAN クリエイティブディレクター

1976年、三重県松阪市生まれ、ビームスと同い年です。年間120日近くを旅に費やし、日本各地の様々な場所で魅力的なモノ・ヒト・コトに関わる仕事をしています。肩書きは“BEAMS JAPAN”のクリエイティブディレクター、日本に関係することあれば比較的なんでも来いのスタンスです。大学などで講師を務めることも。『銘品のススメ』著者、『都道府県おでかけ図鑑』監修。

鈴木修司

BEAMS JAPAN クリエイティブディレクター

1976年、三重県松阪市生まれ、ビームスと同い年です。年間120日近くを旅に費やし、日本各地の様々な場所で魅力的なモノ・ヒト・コトに関わる仕事をしています。肩書きは“BEAMS JAPAN”のクリエイティブディレクター、日本に関係することあれば比較的なんでも来いのスタンスです。大学などで講師を務めることも。『銘品のススメ』著者、『都道府県おでかけ図鑑』監修。