はじめてでも二度目でも。伊勢志摩に行くなら押さえておきたい場所・モノ・食6選

  • 写真・文:鈴木修司
  • 編集:穂上愛

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志摩半島南部の三重県志摩市阿児町鵜方に設置されている横山展望台。英虞(あご)湾の絶景を、標高140mの高さから一望できる。

ビームスジャパンの鈴木修司です。今回の旅の舞台は、私の故郷である三重県、その中でも志摩市です。伊勢神宮があることで多くの人が知る“伊勢”と合わせて、“伊勢志摩”と呼ばれる日本人に古くから愛された地域にあります。

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1.志摩市の絶景スポット「横山展望台」

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まず「百聞は一見に如かず」で、志摩市の観光名所である“横山展望台”からの景色を紹介します。日本でも屈指のリアス式海岸ですが、「どこまでが山で、どこからが海なの?」と混乱してしまう程に“山”と“海”が入り組み、独特の景色を形成しています。日本全国を見渡しても、このような所はそうはないと思います。

こちらの展望台は“伊勢志摩国立公園”の中にあるのですが、 まだまだ知られていない絶景が気軽に拝めてしまうナイススポットなのです。

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2.真珠のふるさと「英虞湾」

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そんな深くて濃い自然があるからこそ、そこから生まれた独特の文化や名産品も見所です。その代表的なものと言えば、“真珠”です。真珠は日本の美意識の象徴のようなものですが、実は“養殖真珠”の発祥がココなのです。

複雑な海岸線を持つ英虞(あご)湾と豊かな山や森の恵みのおかげで、真珠の親であるアコヤ貝の生育が良く、そして当時の関係者の大きな苦労もあってこそ、世界で初めて真珠の養殖に成功したのでしょう。

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3.志摩の「養殖真珠」

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実際に養殖現場を見させて頂いたのですが、お世辞にも綺麗と言えない貝の中から、生まれた瞬間から光り輝く美しい正円(まん丸)の真珠が出てくると、分かっていながらも感動の瞬間です。

ここまでに大変な作業や高い技術があるからなのですが、あまりにも突然に“美しい物体”が出てくるので、不思議な感覚に襲われてしまいます。志摩には“真珠の取り出し”などが体験できる場所がいくつかあるので、もし訪れることがあれば是非オススメです。

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しつこいですが、生まれたてから本当に美しいのです。そもそも私が志摩市に来ているのは、真珠の商品開発に関わっているからです。正直なところ、志摩の養殖真珠が置かれている状況はそんなに良いものではありません。この辺りに限った話ではありませんが、自然環境の変化が大きな影を落としています。また、観光やお買い物の仕方も変わり、長い目で見てしまうと日本人の“真珠離れ”が否めません。そのような厳しい状況を打開すべく、微力ながらもお役に立てればと、現地に何度も足を運んでいます。

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4.儚い美しさの「ベビーパール」

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実はこの冬を目指して、我がビームスジャパンでは“志摩の真珠”をフィーチャーした企画を計画しているので、形になった時は是非ともご覧になって頂ければと思います。その企画の中で出会ったのが、“ベビーパール”と呼ばれる直径6mm以下の小ぶりな真珠で、産地はこの地に限られた貴重なものです。小さいながらも大粒な真珠に引けを取らない輝きを見せ、小粒だからこその儚い美しさが堪りません。

写真では到底伝わらないのですが、実物の輝きと、肌に触れた時の優しい感触が、ほかの宝石にはない唯一の魅力だと体感しました。

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5.建築家・村野藤吾設計の「志摩観光ホテル」

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話が変わりますが、志摩市は日本屈指のリゾート地で、その歴史はかなり古いです。伊勢神宮が近いので歴代の皇族が来られていますし、豊かな時間と体験を求めて国内外から沢山の観光客が訪れる場所です。

すでに有名ですが、改めて紹介したいのが“志摩観光ホテル”。かの“村野藤吾”が設計したホテルで、立地もさる事ながら佇まいが美しいです。外観から気分は上がってしまいますが、中に入るとリラックス感と高揚感のバランスの良さに感心しました。仕事でご案内頂いただけなので、いつかは泊まってみたい(出来れば連泊で)と夢見てしまいました。

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ちなみにこちらのホテル、2016年の「G7伊勢志摩サミット」の会場です。レストランの中に飾られている藤田嗣治の大作「野あそび」を観覧出来るだけでも、来た甲斐ありです。

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6.洋食の名店「プティレストラン宮本」

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最後に少しだけグルメ情報で、志摩には驚くほどに美味しいお店が多く、その一つが「プティレストラン宮本」。こちらのエビフライカレーは絶品です。老舗ホテルで積んだ経験が、存分に活かされた上品な一皿ですが、これを頂くために志摩を訪れても良いかもと思わされるほどです。

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連載記事

鈴木修司

BEAMS JAPAN クリエイティブディレクター

1976年、三重県松阪市生まれ、ビームスと同い年です。年間120日近くを旅に費やし、日本各地の様々な場所で魅力的なモノ・ヒト・コトに関わる仕事をしています。肩書きは“BEAMS JAPAN”のクリエイティブディレクター、日本に関係することあれば比較的なんでも来いのスタンスです。大学などで講師を務めることも。『銘品のススメ』著者、『都道府県おでかけ図鑑』監修。

鈴木修司

BEAMS JAPAN クリエイティブディレクター

1976年、三重県松阪市生まれ、ビームスと同い年です。年間120日近くを旅に費やし、日本各地の様々な場所で魅力的なモノ・ヒト・コトに関わる仕事をしています。肩書きは“BEAMS JAPAN”のクリエイティブディレクター、日本に関係することあれば比較的なんでも来いのスタンスです。大学などで講師を務めることも。『銘品のススメ』著者、『都道府県おでかけ図鑑』監修。