世界屈指の技術力で軽さと高性能、美を実現した「新VAIO Z」

  • 編集:一ノ瀬 伸

Share:

〈モバイルPC〉
VAIO Z(バイオ ゼット)

1_2021AW_Z_back_KACHI.jpg
高貴なデザインの新VAIO Z。勝色特別仕様は数量限定で¥355,080~。シンプルなブラックの新モデルも発売中で¥311,080~(公式オンラインショップVAIOストア価格)

VAIO Z(バイオ ゼット)……。懐かしくも、親しいブランドだ。私はバイオの個人向けハイエンド「Z」(ソニー時代の2010年発売)を、PCオーディオでのハイレゾ音源機として愛用している。いまだ最良の音を聴かせるのはZだからだ。2014年、ソニーから独立して以降は業務用PCに専念していたが、実はZはしっかり、サバイバルしていた。

ソニーから独立後、初のモデルを15年に、そして21年に次代が登場。その最新モデルで数量限定の「勝色(VAIOのコーポレートカラーの深濃藍色)」バージョンを紹介しよう。Zはモデルチェンジごとに、日本メーカーならではの、こだわりのものづくりが称賛されるが、新作の美質は素材。軽量、耐久性の高さから飛行機の機体などさまざまな用途で使われているカーボンファイバーは、PC業界での注目度も高く、これまでも部分的に採用した例は数多い。しかしこの素材でボディー全部を立体成形したのは、Zが世界初だ。剛性が高く伸ばしにくいので、開発過程では側面やヒンジの曲げに苦労したという。数年の年月をかけて、ついに開発に成功した。

2_立体成型カーボンボディ.jpg
VAIO Zは、軽くて丈夫なカーボンファイ Reiji AsakuraバーをPCボディー全面に使用。1キロを切る軽さと、最大約34時間のバッテリー持ちや高速パフォーマンスという高性能を両立。

このストーリーでZらしいのは、軽さだけに着目しなかったことだ。単に軽さを追求するのではなく、その分をCPU(中央処理装置)の高性能化に使ったのだ。重く、強力な熱冷まし用のファンを必要とする処理能力の高いCPUの搭載がこれによって可能になった。実際、Zの仕事の速さは、まさに刮目ものだ。そして官能性も非常に高い。触感は手にすべらかで快感的。見た目にもグロッシーなカーボンのヘアラインが高級感を醸し出し、「VAIO」ロゴとヒンジ箇所のオーナメントの優しい金色が高貴だ。それは審美的な工芸品とも形容できよう。細かなこだわりが随所に仕込まれているが、前面のどの場所からでも片手で軽く、スムーズに開けられるのは、その一例。こんなに気持ちよく開くノートブックは他にない。

麻倉怜士

デジタルメディア評論家。デジタルシーン全般の動向を常に見据える。近著に『高音質保証! 麻倉式PCオーディオ』(アスキー新書)、『パナソニックの3D大戦略』(日経BP社)がある。

問い合わせ先/VAIOご購入相談窓口
TEL:0120-810-527

関連記事

※この記事はPen 2022年6月号より再編集した記事です。