腕時計好きのお笑い芸人3名に、愛用品を聞いた。以下、Pen Onlineの過去記事から抜粋して紹介する。
チュートリアル 徳井義実
徳井義実●お笑い芸人。1975年、京都府出身。お笑いコンビ、チュートリアルのボケ担当。YouTubeではキャンプやギア、カメラ談義を披露。腕時計好きとしてIWCやヴィンテージに目がなく、サイズ感には人一倍こだわる。
チュートリアル・徳井義実の愛用時計は、祖父の形見として受け取った1960年代の「キングセイコー」。オーバーホールに出したのにすぐ止まり、針は動かないという。それでも手放せないのは、祖父が最期に残していたのが「眼鏡」と「腕時計」だけだったからだ。見る道具と時を知る道具だけを選び抜いたような潔さに、徳井は強い美意識を感じ取る。一方、徳井自身が長く愛用してきたのがIWCのパイロット・ウォッチ、とりわけ「マーク15」。派手さのないシンプルさに“意志”を感じ、36㎜というサイズも含めて、最後まで持ち続けたい一本として語る。
フットボールアワー 岩尾 望
岩尾 望●お笑い芸人。1975年、大阪府生まれ。99年に後藤輝基とお笑いコンビ、フットボールアワーを結成。今年4月に15年ぶりの単独ライブ『フットボールアワー25』を開催し話題を呼んだ。大のファッション好き。
2024年の夏頃に知人との会話をきっかけに腕時計に興味を持ち、情報収集の末に正規品やヴィンテージを複数購入するほど熱中した。いったん時計熱は落ち着いたものの、ネットでヴィンテージを見ていた際に1960〜70年代のロレックス「プレシジョン」に強く惹かれ、実物を見て購入。小ぶりながらベゼルの目盛りやドーム型ガラス、経年変化で褪せた文字盤の色味に魅力を感じ、単独ライブを終えた記念として選んだという。結果として、派手すぎずスーツにも合わせやすいデザイン性から、仕事・私生活ともに最も着用頻度が高い一本になっている。
マヂカルラブリー 村上
マヂカルラブリー 村上は学生時代からの腕時計好きで、控えめなデザインを好み、IWC「ポルトギーゼ」などを所有。なかでも思い入れが強いのは、2022年に婚約指輪のお返しとして妻から贈られたジャガー・ルクルト「レベルソ・クラシック」で、銀座並木ブティックで実際にケースが反転するギミックを見て、ベーシックなモデルを選んだ。ケース裏には入籍日を含む「Forever Love 2022,7,7」を刻印し、着用時は気が引き締まるという。さらにベルトは専門店でオーダーし、夏場は裏をラバー仕様、穴を一つだけにするなど“自分専用”に調整。風防を傷つけにくく見やすいとして、文字盤が手首の内側にくるように着けるのも習慣で、こうしたこだわりや所作に村上の品性が表れている。