昨年8月のオープン以来大人気!
行った人なら朝食がいいのは知ってる。
アフタヌーンティーが素晴らしいのも知ってる。
でもね、「ティファニー ブルー ボックス カフェ」でほんとうに見てほしいのは、季節ごとのメニューなんじゃないかと、わたしはしみじみ思っているのです。

なっちゃんではなく「庄司シェフ」と呼ばせてほしい日がある
庄司夏子シェフのお料理って、かわいい、とか、美しい、とか、そういう言葉だけでは全然足りない。
もちろんビジュは完璧。世界観も完璧。でも、食べるとわかる。この人、見た目の魔法だけで勝負していない。むしろその逆で、ものすごくちゃんと料理人なわけ。
わたしは夏子と仲がいい。だからこそなおさらなのか、彼女のすごさって、表に見えている華やかさの奥に、クラシックへの敬意とか、技術への執念とか、そういう“地味だけど一番大事な部分”が感じられるの。

出会ったことないスクランブルエッグ
まず、昆布とあごだしをベースにした、乳製品を使わないスクランブルエッグ。そこに上海蟹のソースを合わせるという一皿。
これがね、なんともいいの。
スクランブルエッグって、やさしい料理じゃない?
でも、やさしいだけで終わらないのが夏子の料理。
乳製品を使わないからこそ、卵の質感がふわっと軽やかで、昆布とあごだしの旨みがじんわり広がる。
そこへ上海蟹のソースが重なることで、急に景色が変わる。静かな料理だったはずなのに、ぐっと色気が出るのよ。
旨味のレイヤーが増して、口の中でふわっと立ち上がる感じ。
あぁ、これ好き、となった。
こういう料理って、派手に驚かせるタイプじゃない。
でも、食べ終わったあとにじわじわ残る。
で、あとからまた思い出すの確定。

Extraordinary なパイ包み
そして、もうひとつ書かずにはいられないのが、ブルターニュ産活オマール海老のパイ包み。これは「été」のスペシャリテでもある一皿。
いやもう、これが出てきた時点でアガる。
だってパイ包みよ?
いまの時代に、若手シェフでパイ包みをレギュラーで出している人がどれだけいるんやろ(急な関西弁)。
手間もかかるし、技術もいるし、なにより逃げがきかない。ちゃんと積み上げてきた人じゃないと成立しない料理だと思うんだけど、だからこそ、ここに庄司夏子という料理人の真骨頂がある気がする。その姿勢がほんとうにかっこいいよ、なっちゃん!
クラシックへの敬意って、言うのは簡単。
でも、実際に皿の上でそれを成立させるのは全然別の話なわけで。
しかも夏子のすごいところは、それを重たく見せないことなのよね。ちゃんとクラシックなのに、食べるととてつもなく本格的。ちゃんと華やかなのに、中身が伴ってる。これって実はかなり難しい。だからわたしは、彼女の料理を食べるたびに、ああやっぱりすごいなぁ、と思ってしまう。

そしてあの「été」が帰ってくる!
「ティファニー ブルー ボックス カフェ」という場所は、その空間だけで十分に特別だし、朝食もアフタヌーンティーももちろん魅力的。
でも、季節ごとのメニューには、庄司夏子シェフの料理人としての輪郭がよりくっきり出ている気がする。映えるとか、ラグジュアリーとか、そんな言葉の先にあるもの。そこにちゃんと触れられるのが、この季節の皿たちなんじゃないかな。
いまはブルー ボックスで忙しい日々を送っているけれど、実は「été」も改装中。
また「été」で夏子のお料理が食べられる日が来ると思うと、それだけでちょっと楽しみになってしまう。
ブルーボックスで見せる、洗練されたいまの表情。
そして、改装を経た「été」でまた出会えるであろう、彼女の本丸。
どちらも庄司夏子なのだけど、どちらも違う顔を見せてくれるはず。
ああ、早くまた食べたい。
いやほんとに。かなり本気で。
Blue Box Café by Natsuko Shoji
〒104-0061 東京都中央区銀座六丁目9番2号

おいしいものがあれば西へ東へ、世界中を駆けまわるFoodie、Keisui。ミシュランと並ぶ食のコンペティション「世界のベストレストラン 50」の公式デジタルアンバサダーで、世界で15人しかいない「TasteHunters」に唯一の日本人として就任。Instagram: @keisui