ヴァシュロン・コンスタンタンが、新作「トラディショナル・エクストラフラット・パーペチュアルカレンダー」を発表した。直径36.5㎜、厚さわずか8.43㎜のケースに、パーペチュアルカレンダーという複雑機構を収めた3つのモデルは、18世紀から続く高級時計製造の伝統を現代に継承する逸品だ。

今回登場したのは、18Kピンクゴールド、18Kホワイトゴールド、そしてダイヤモンドをあしらった18Kホワイトゴールドの3バリエーション。ピンクゴールドモデルは針やアワーマーカーまで統一された色彩の調和が際立ち、ダークブルーのアリゲーターストラップが上品なコントラストを生み出す。ホワイトゴールドモデルは18Kピンクゴールドの針とマーカーが控えめな華やぎを添え、新色のライトブラウンストラップが新鮮な印象を演出。ダイヤモンドセッティングモデルは、ベゼルとラグに76個のダイヤモンドを配し、涼やかな白色のきらめきが魅力だ。

薄型ケースに秘められた複雑機構

心臓部には、厚さ4.05㎜の自社製自動巻き「キャリバー1120 QP」を搭載する。276個の部品で構成されたこのムーブメントは、時・分表示に加え、曜日・日付・月・閏年を示すパーペチュアルカレンダー、さらにムーンフェイズと月齢表示という複雑な機構を備える。2100年まで手動での修正を必要としないこの機構は、グレゴリオ暦の例外まで自動的に調整する技術の結晶だ。

36.5㎜というサイズには、1983年に誕生した伝説的モデル「リファレンス43031」の影響が息づく。クオーツ危機の渦中で高級時計製造の価値を再確認させたこの名作から着想を得たケースサイズは、性別を問わず手首にフィットする理想的なバランスを実現している。

シルバートーンオパーリン仕上げのダイヤルは、左右対称に配された3つの円形サブダイヤルと6時位置のムーンフェイズ表示が絶妙な調和を奏でる。伝統的なレイルウェイミニッツトラック、ファセット仕上げを施したドーフィン型針、ゴールドのバトン型アワーマーカーが、バランスと視認性に重点を置いた美学を体現している。

技術と審美性を追求した完璧なバランス。270年の歴史が導いた探求の精神が、この薄型ケースに凝縮されている。