オランダの科学者が革新的なヒゲゼンマイを発明してから350年。やがてシリコン製へと進化し、磁気や衝撃といった日常の環境にも耐える信頼性を備えるまでに成長した機械式時計。そして2025年、タグ・ホイヤーはその時計史に新たなページを加える、ふたつのモデルを世に送り出す。

今日、私たちが知る機械式時計の礎を築いたのは、オランダの科学者、クリスティアーン・ホイヘンスである。髪の毛のように繊細な螺旋状の部品「ヒゲゼンマイ(ヘアスプリング)」をテンプと組み合わせた近代的オシレーターを発明し、時計製造史に大きな飛躍をもたらした。この極細のゼンマイにより、時計師はムーブメントのテンプの振動を精密に制御できるようになり、計時精度だけでなく携帯性の面でも飛躍的な進化を遂げたのである。20世紀に入ると耐食性に優れた特殊合金が用いられ、さらに四半世紀前にはシリコン製ヒゲゼンマイが導入され、日常使いにおける信頼性は大きく高まった。
そして2025年。革新的なテクノロジーで常にスイス時計界を牽引してきたタグ・ホイヤーが、ふたたび時計製造史に新たな問いを投げかける。進化を積み重ねるのではなく、常識を打ち破ることで生まれる次のステージ。ブランドのアヴァンギャルドな哲学を体現するかのように、「Geneva Watch Days 2025」の舞台でベールを脱いだのは、ふたつの傑作「タグ・ホイヤー モナコ フライバック クロノグラフ TH-カーボンスプリング」と「タグ・ホイヤー カレラ トゥールビヨン クロノグラフ エクストリーム スポーツ TH-カーボンスプリング」である。



注目すべきは、両モデルに搭載された「TH-カーボンスプリング」だ。これは従来のヒゲゼンマイの延長ではなく、根本から設計思想を刷新したテクノロジーである。カーボン素材を用いることで磁気の影響を受けない非磁性を実現し、どのような環境でも精度を維持する。さらに軽量ゆえに慣性が抑えられ、テンプの安定した動きを保証する。そして強靭な耐衝撃性は、日常の何気ない動作から過酷なスポーツシーンまで、腕時計を揺るぎなく守り抜く。精密計時の歴史において、この三つの要素を同時に満たしたヒゲゼンマイは存在しなかった。まさに“史上初”のブレイクスルーである。



この革新を支えるのが、タグ・ホイヤーの頭脳とも言うべき研究拠点「タグ・ホイヤー ラボ」だ。エンジニアや技術者たちが、従来なら不可能とされた素材の組成や構造をゼロから検証し、数千時間に及ぶシミュレーションと試作を積み重ねた。量産可能な水準にまで引き上げるには、実に約10年の歳月を要した。単なる実験的成果ではなく、市場に送り出せる信頼性を確立したことこそが、このラボの真価である。事実、これまでにない革新技術でありながら、両モデルには「5年保証」が付与されている。これは揺るぎない自信と技術の裏付けにほかならない。
これは、シリコン製ヒゲゼンマイの単なる進化ではない。タグ・ホイヤーのアヴァンギャルド精神が結実した「TH-カーボンスプリング」は、時計製造の概念そのものを更新する技術である。ホイヘンスの発明から350年。タグ・ホイヤーは新作「タグ・ホイヤー モナコ フライバック クロノグラフ TH-カーボンスプリング」と「タグ・ホイヤー カレラ トゥールビヨン クロノグラフ エクストリーム スポーツ TH-カーボンスプリング」とともに、機械式時計の未来を新たに切り拓いた。


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