アートと地域が交差する、街に開かれたホワイトキューブ「十和田市地域交流センター /とわふる」【今月の建築ARCHITECTURE FILE #04】

  • 写真:岩田正輝+藤本壮介建築設計事務所
  • 文:佐藤季代
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敷地奥の建物は商店街や民家に圧迫感を与えないよう高さを抑えて設計。道路側の外壁には現在、鈴木ヒラクのアートが描かれている。

西沢立衛が設計した十和田市現代美術館の開館以来、安藤忠雄による図書館や隈研吾による市民交流プラザが建つなど、現代アートと建築巡りが楽しめる青森県十和田市。2022年9月には、大阪・関西万博の会場デザインプロデューサーも務める藤本壮介が手がけた十和田市地域交流センター(通称:とわふる)が誕生した。

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外観同様にキャンバスをイメージした真っ白な内観。天井高のある開放的なロビーは、展示空間や休憩スペースも兼ねている。

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「とわふる」は、美術館のある官庁通りと商店街が交わる交差点に立ち、サテライト展示室や地域の文化活動拠点など多様な使われ方が想定されている。「アートのまちのリビング」を設計コンセプトに掲げ、観光客も地域住民も自由に集い過ごせる、街に開かれた居場所となっている。

美術館のホワイトキューブから発想した真っ白な外観が印象的だ。上部や下部に大きな開口が設けられ、通り抜けた先には建物の半分程度を占める中庭が広がる。開口によって通りの景色や空がフレーミングされ、街と施設とを緩やかにつないでいる。

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道路に面して連続する高さ12.5mの外壁(写真右側など)が大きな梁として機能し、ロビーに沿って配したガラス張りの開口を支えている。

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広場のような中庭からロビーに入るには3つのエントランスがあり、道の延長のように室内外を回遊できるのも特徴。建物内には、ロビーからアクセスできる大中小3つのギャラリーや事務室、カフェ、多目的室を設けている。余白を残したシンプルな空間が、さまざまな交流を生む新拠点として地域に根付き始めている。

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大中ふたつのギャラリーをつなげると最大300㎡の広さに。企画展のほか、舞台や講演会など地域向けのイベントとしても利用可能だ。

十和田市地域交流センター/とわふる

住所:青森県十和田市稲生町16-1 
TEL:0176-51-3201 
開園時間:9時~21時 
休園日:12/29~1/3
料金:入場無料
www.city.towada.lg.jp
【設計者】藤本壮介建築設計事務所
代表の藤本壮介は、1971年北海道生まれ。東京大学工学部建築学科卒業後、2000年に事務所設立。国際設計競技で最優秀賞受賞など多数受賞。25年の大阪・関西万博会場デザインプロデューサーに就任。

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※この記事はPen 2023年2月号より再編集した記事です。