「ハリー&メーガン」配信で注目! 改めておさらいしたい“英王室の王位継承順位”のルール

  • 文:宮田華子

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故エリザベス女王と2人の孫。ベアトリス王女(継承順位9位)とユージェニー王女(11位)は、女王の第三子・アンドルー王子の娘たち。ちなみに継承順位10位はベアトリス王女の娘・シエナ(2歳)。@theroyalfamily – Instagramのキャプチャ画像

エリザベス女王の死去後、チャールズ三世が国王に即位。英国王室は新たな体制で船出したばかりだが、ゴシップネタは尽きることがない。

特にゴシップの火種となっているのは、チャールズ三世の次男、ハリー王子夫妻。Netflixのドキュメンタリーシリーズ『ハリー & メーガン』(全6回)の内、3話分が12月8日に配信開始した(続編は12月15日配信予定)。

そして2023年1月10日に出版されるハリー王子の回顧録は、「自伝的“暴露本”」とも噂されている。

ドキュメンタリーと暴露本が出そろったところで、さらに火の手があがるのか、また火の粉が別の方向に飛んでいくのかはまだ分からない。来年もさまざまな話題を提供してくれそうな英王室。そこで改めて「英王室の王位継承順位」についておさらいしてみたい。

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基本は1701年に定められた王位継承法

長きに渡り王位継承の基礎となってきたのが「1701年王位継承法(Act of Settlement 1701)」だ。これを定めたのは、イングランド王兼スコットランド王であったウィリアム三世。

自身に子どもがおらず、義妹のアン女王の子どもたちも相次いで死去。アン女王の異母弟であるカトリック教徒のジェームズ・フランシス・エドワード・ステュアート(ジェームズ老僭王)が王位につくのを阻止するために作られた法律だ。

この法で、
●スチュアート王朝の血をひくもの(具体的にはゾフィア王妃とハノーヴァー選帝侯の子孫)
●イングランド国教会の信徒
のみが王位継承できると定められた。

カトリック教徒やカトリック教徒と結婚した者には王位継承権がなく、また当時慣例であった「男子優先長子継承制」が採用された。

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2013年王位継承法で「男女平等」を実現

300年もの間「1701年王位継承法」が守られてきたが、ウィリアム皇太子&キャサリン妃の婚姻をきっかけに改正の動きが進んだ。


王位継承権、1~4位の面々。

2011年11月、オーストラリア・パースで開かれた英連邦の首脳会談において、「男子優先」を含めた「今の時代にそぐわない」と考えられる規定を廃止することを16カ国首脳が全員一致で合意(パース協定)。2013年に「2013年王位継承法(Succession to the Crown Act 2013)」が裁可され、2015年に施行された。

改正された主な点は以下の3つだ。

●男子優先長子継承制の撤廃→絶対的長子継承制に
●カトリック教徒と婚姻しても、王位継承権を失わない
●王位継承順位の上位者でも、国王による結婚承認が不要に

王位継承における「男子優先」が撤廃され、「2011年10月28日以降に誕生する王位継承資格者」は性別にかかわらず誕生順に順位が決まることになった。

またカトリック教徒と結婚しても王位継承権を失うことはないももの、英国国王はイングランド国教会の最高権威者でもあるため、「国王がプロテスタントでなければならない」との規定は残った。

加え、これまでは1772年の「王室婚姻法」に基づき、継承順位6位までの継承資格者は国王の許可なしには婚姻することができなかったが、この部分も撤回された。

課題を残した部分もあるものの、ぐっと時代に寄り添った王位継承法になったと言える。

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王室の「称号・敬称」問題と、王位継承順位は「別モノ」

現在、ヨーロッパ王室界隈では、王子・王女の称号や敬称問題が話題だ。ハリー王子の第一子・アーチーちゃんと第二子・リリベットちゃんに「王子・王女」の称号が与えられなかった。またデンマークやスウェーデンの王室でもスリム化が図られている。


いち早くスリム化を進めたスウェーデン王室。

しかし称号・敬称と王位継承権は別のことである。英王室の場合、称号・敬称は持っていないものの、アーチーちゃんは王位継承順位6位、リリベットちゃんは7位と、共に上位に位置している。

王位継承順位は、王(本人)→子→孫→ひ孫…と直系を下って継承される。直系子孫に継承者がいなくなると、国王本人の兄弟の系列となる。よって、現在、チャールズ三世の「子・孫」世代までの継承者は7位のリリベットちゃんが最後。その後、国王の兄弟の系列に移り、エリザベス女王の次男であるアンドルー王子の系列となる。


何かと話題のアンドルー王子。

チャールズ三世は4人兄弟。チャールズ三世(長子)、アン王女(第二子)、アンドルー王子(第三子)、エドワード王子(第四子)の順で誕生しているが、今回の改正では「絶対的長子継承制」の採用は「2011年10月28日以降に誕生した継承者のみ」のため、
チャールズ三世の子孫
アンドルー王子の子孫
エドワード王子の子孫
アン王女の子孫

の順番で王位継承順が続いていく。2013年の改定でも、アン王女の系列がアンドルー王子の系列より優先されることはなかった。

シンプルそうで複雑な点もある王位継承法。このような隠れたややこしいルールが王室にはたくさんある。知れば知るほど「英王室ゴシップ」も理解でき、『ザ・クラウン』をはじめとする王室を舞台にしたドラマや映画も面白くなるはずだ。

次ページ:話題のドキュメンタリー「ハリー&メーガン」の予告編はこちら

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高感度の落下が止まらないハリー王子とメーガン妃。このドキュメンタリーは2人によって吉とでるか、凶とでるか?も今後のお楽しみだ。

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「ハリー&メーガン」配信で注目! 改めておさらいしたい“英王室の王位継承順位”のルール

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故エリザベス女王と2人の孫。ベアトリス王女(継承順位9位)とユージェニー王女(11位)は、女王の第三子・アンドルー王子の娘たち。ちなみに継承順位10位はベアトリス王女の娘・シエナ(2歳)。@theroyalfamily – Instagramのキャプチャ画像

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基本は1701年に定められた王位継承法

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2013年王位継承法で「男女平等」を実現


王位継承権、1~4位の面々。

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王室の「称号・敬称」問題と、王位継承順位は「別モノ」


いち早くスリム化を進めたスウェーデン王室。

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何かと話題のアンドルー王子。

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エリザベス女王の国葬に集まった、世界のロイヤル&ファーストレディの喪服姿

文:さかいもゆる

キャサリン妃のコートドレスの装い

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(c)Alpha Press/amanaimages

現地時間で9月19日に執り行われたエリザベス女王の国葬には、世界の要人たちが参列した。女王への敬意を示したそれぞれの喪服姿は、エレガントな気品に満ち溢れていた。

最も人目を惹いたのはやはり、キャサリン皇太子妃の洗練されたコートドレスの装いだったのではないだろうか。ヴェールをあしらったツバの広いハットもよく似合っていて、ハッとするほど美しいオーラを放っていた。正直、隣りに居た女優出身でドレスアップには慣れているはずのメーガン妃より数倍も品が良く見えて、ロイヤルファミリーとしての矜持に満ちていたように思う。そして王となったチャールズの奥方、カミラ王妃も、若い頃よりずっと垢抜けた姿を披露。王妃としての威厳を見せていた。

左からメーガン妃、カミラ王妃、ジョージ王子、キャサリン皇太子妃。

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シンプルな丸首ドレスのレティシア王妃

プチプラファッションが得意でファッショニスタとしても人気のスペインのレティシア王妃は、シンプルな丸首のドレスのウエストを細いベルトでマーク。旦那様のフェリペ6世の軍服もキマっていて、お似合いの美男美女カップル。

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シャルレーヌ王妃はブローチがアクセント

モナコ公国のシャルレーヌ公妃はハイネックのブラックドレスにグレーのタイツを合わせて、胸元のブローチをアクセントに。元競泳選手で鍛えた、彼女の抜群のスタイルの良さが際立っていた。

それにしても、こうして見ていると皆足元はピンヒールなのだが、華奢なピンヒールが似合う、足首の細いこと! 足首が細いことがプリンセスになる条件なのだろうか。

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フランスのマクロン大統領夫妻

フランスのマクロン大統領と、24歳年上の妻、ブリジット・マクロン。マクロン大統領はシンプルなブラックのスーツ、ブリジット夫人は黒のコートでフェミニンな着こなしで登場。

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バイデン大統領夫妻は手をつないで参列

手を繋いで参列した、アメリカのバイデン大統領と、ファーストレディのジル・バイデン。バイデンはブラックスーツ、ジルは金ボタンのスーツに、帽子の代わりにブラックリボンのヘッドアクセサリーで正装らしさを演出していた。

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インスタの人気者、ブルネイのマティーン王子

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tmski-Instagram

ブルネイの見目麗しいプリンス、マティーン王子はスポーツで鍛えた胸筋で、堂々たるスーツの着こなしを見せた。マティーン王子はイケメン王子として女性たちの熱い視線を集めるロイヤルで、インスタグラムのフォロワーは現在232万人超えの人気者だ。

さまざまな国を代表する要人たちが自国の伝統を保ちつつ装った喪服姿は、荘厳な眺め……。後世に語り継がれるに相応しい国葬の慰めとなり、彩りとなったのだ。

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【画像】エリザベス女王の国葬に集まった、世界のロイヤル&ファーストレディの喪服姿

キャサリン妃のコートドレスの装い

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(c)Alpha Press/amanaimages

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左からメーガン妃、カミラ王妃、ジョージ王子、キャサリン皇太子妃。

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シンプルな丸首ドレスのレティシア王妃

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シャルレーヌ王妃はブローチがアクセント

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フランスのマクロン大統領夫妻

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バイデン大統領夫妻は手をつないで参列

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インスタの人気者、ブルネイのマティーン王子

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tmski-Instagram

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