京都の新しい和建築カフェ2軒、カジュアルに愉しむ夏の古都

  • 写真・文:高橋一史
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京都を散策しているとついカフェに入りたくなるのは、古都という土地が持つ魔力なのでしょう。
風雅な街並みに馴染んだ日本家屋ほど、ふらふらと中に吸い込まれてしまいます。

いまなら(2022年7月中旬現在)日にちと時間を選べば、客がまばらで店内が静か。
店を出てまた散歩して、心地いい気分が続くのも古都ならでは。
コンクリートのビルが立ち並ぶ都会とは、土地を包む空気が違うのです。

夏の取材出張ブログ第2弾の今回お届けするのは、京都市の東側、清水寺関連エリアにある日本家屋カフェ2軒。
オープンして約1年半以内の若い店を訪れました。
さらりと立ち寄れるカジュアルな店。
皆さまの休憩スポット候補にでもいかが?

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スペシャルティコーヒー「ウニール」唯一の京町家カフェ

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奥に長く続く京町家を改装した店。道幅が狭いこの通りでは意図して見上げないとこのような見え方にはならず。

観光客(わたし)が思う“ザ・京都”な石造りの塀と日本家屋がず〜っと続く、まさしくザ・京都(しつこいわ)な通りといえば、
清水寺へと続く一年坂(一念坂)、二年坂(二寧坂)、三年坂(産寧坂)の連続コンボ。
そのスタートとなる一年坂に足を踏み入れてほどなく右に現れるのが、
ザ・ウニール コーヒーセンシズ(The Unir coffee senses)」。
京都と名古屋にほか5軒の路面店を持ち、大阪・阪急うめだ内にもコーヒースタンドを構えるスペシャルティコーヒーの「ウニール」が、20年12月にオープンさせた町家改装カフェです。

でもしかし……半年前の冬にここを歩いたときは存在に気づきませんでした。
いや、スマホのナビを睨んだ今回も目の前を通り過ぎそうに。
道幅が狭いからなのか、くねっと曲がっているからか、はたまた入り口に置かれたメニュー看板が若い女子狙い丸出しのポップさだからなのか。
(たぶんそれ全部が理由)
ともあれ見逃してはもったいない、大人もくつろげて味にも満足の本格コーヒー系カフェです。

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ザ・ウニール コーヒーセンシズの店名はこの店だけ。

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1階中央の中庭。奥はバーのようですが昼は閉まってました。

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エントランスの外にも縁側式の庭あり。テイクアウトして外で味わう人も多そうな素敵な空間。

1、2階のフロア構成で、昼のカフェタイムはカウンターでオーダーして2階に行き席で待つシステムでした。
通りに面した狭い門から中をチラ見しただけでは想像もつかなかった広さ。
皆さんもいったん中に入ってから、ここで時間を過ごすかどうか決めましょう。
「良さそう」と感じたら、たぶん間違いないです、その決定。

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2階のメインフロア。和洋折衷のモダンさ。

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わたしが選んだひとり席は、中庭に面したカウンター。涼しい店内で眺めも涼しく、「この店に来てよかった〜」と歩き疲れがすっ飛んだひととき。

浅煎りコーヒー好きとしては、この店でコーヒーを頼まない選択肢はありません。
ただ屋外の暑さで心が折れ気味でしたから、ふだんは飲まないアイスコーヒー(アイスアメリカーノ)をオーダー。
熱いエスプレッソをアイスに掛けるアフォガードとともに。

アイスコーヒー、うまかった!
「エチオピア イルガチェフェ ルロ」。
ナチュラルプロセス精製の中煎り。
クセのある風味のナチュラルは基本苦手なのですが、エスプレッソを水割りしたアメリカーノだとすっと飲みやすく、「うまうま」と飲み干しました。

アフォガードも、酸味のある濃厚なエスプレッソはさすがの味。
ちょい惜しいのは2段重ねのアイスが市販品っぽい普通さだったこと。
もっとミルク感があればエスプレッソとのコントラストをより楽しめた気がしますが、そこまで求めるなら本格パティシエ(orパティシエール)が運営するスイーツ店にでも行けって話ですし。
京都の一等地の観光地にして、
豆指定アイスアメリカーノ ¥650+アフォガード ¥650=¥1,300(税込)
これのどこに文句のつけようがあるのか。

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入り口は写真右側の手前(光が差し込んでるあたり)。レジカウンターは左側です。

もひとつ情報をお伝えすると、内装を手掛けたのは大阪を拠点にするあの実力派集団graf(グラフ)。
インテリア好きの人だって、そりゃ〜心地よく過ごせるってモンです。
しつこいようですがもう一度言います。
一年坂を歩きながら外看板のメニューをチラ見して、門から中を軽く覗くだけで「やめとくか」なんて思っちゃうのは損ですよっ。
穴場です、たぶん人通りの多い日も。

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一年坂から続く二年坂を登りきったところから見下ろして。今年の1月に撮った写真です。一年坂はこのときも今回も撮っておらず。撮りにくかったのかなあ?通りの様子はこれでご想像くださいませ。

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名勝円山公園を借景する、巧みなロケーションの和カフェ

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最寄り駅から遠くても若い子たちで賑わってた、人気のイクスカフェの最新店舗。

“名勝”の名がつく円山公園は、1886年(明治19年)に造成された京都市でもっと古い公園だそう。
その端にある池を見下ろすように建てられて21年8月にオープンしたのが、
「イクスカフェ(eXcafe)祇園八坂」。

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1、2階の2フロアに加え、外には公園を間近に感じられる広い縁側席も。

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窓際はボックス席。1階席の端だとほぼ樹木だけの眺め。

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わたしが座った席から、あまり磨かれてないガラス窓にカメラを押し付けて撮ったら、お〜と思うほどクリアな映りに。(多少レタッチしてるものの)

京都市内の3店舗目となるこの店は眺望が売り。
この眺めのなかでいただくアイコンメニューとは!?

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オーダーした、抹茶つきの「ほくほく、お団子セット」。団子を七輪で温めて食べる体験型スイーツ。

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団子のたれは、みたらしとあんこの2種類。

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店員さんからは「くるくる回しながら温まったら召し上がれ」と説明され、決して「焼いてください」とは言われず。少し放置するだけで網にくっついて煙が出てベリっと剥がれちゃうからコツがいる食べ物でした。

見た目豪華ですよね!
抹茶つきで¥1,540(税込)で、ロケーションも含めたイベントと思えば、まあ妥当な線ではないでしょうか。
ただ正直、味は普通。
温めるという体験と、ビジュアル映えを伴ってナンボのスイーツです。

内装のテクスチャーは和食ファミレスふうで、そこに高級感を求めるのも酷でしょう。
客層もわたしがいたときは若い子たちが大半。
子供連れや仲間内の集まり、それこそ江戸時代の茶屋のように円山公園散歩での一服利用がいいように思いました。

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あ、ひとつ衝撃的な体験が!
レジでの会計のとき東京感覚でスマホを取り出し、「スイカ(交通系IC)で」と言ったら、「使えません」と返されたのはまあ当然。
というかむしろ、話をややこしくしたわたしが悪い。
「じゃあ、VISA(クレジットカード)で」とカードを出そうとしたらまさかの、「使えません」。
「使えるのはペイペイか現金だけです」
と。

思わず「え?現金??」と声に出ちゃいました。
さすがに驚いてしまい。
いや……東京でも下北沢の小さなカレー屋さんなら「ローテクな店だしね」と納得しますけど、観光地で3店舗展開してるカフェでこの会計ってあります!?
コロナが落ち着いて海外客が戻ってきたら彼らにも「You can't use credit cards」と言うんでしょうか。
カード会社への手数料払い分だけ料金設定を低くしてるとも考えられず。

よかった〜、鞄の奥に放り込んだ財布に千円札が3枚入ってて。
(手持ちの現金マジでそれだけ)
カメラを担保に預けて、必至にATMを探し回らないといけないところでしたよ。
思い返せば「レジのバイトの子が間違えただけ説」も浮上するものの、ならばペイペイはOKとは言わないだろーしなー。
不思議な店でした。

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この地方感は素敵ですね。都会の商業施設では味わえない居心地。

今回お届けした2店舗はいかがでした?
私的なお薦めは最初のザ・ウニール コーヒーセンシズ。
ふたつ目のイクスカフェ祇園八坂は、条件つきで「あり」といったところでしょうか。

ほかのメニューも試してみないとまだなんとも言えず、ご興味ある方はトライなさってくださいませ!

All Photos©KAZUSHI

KAZUSHI instagram
www.instagram.com/kazushikazu/?hl=ja

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高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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