くずきりの名店、京都祇園「鍵善良房」製くず餅は、葛粉でほんのり甘い絶品の口どけ

  • 写真・文:高橋一史
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京都祇園の和モダンな「ZEN CAFE」の看板メニュー、「くずもち」。

引き続き京都取材出張ネタです。
(ほかのネタも見てみようという奇特なお方は、記事最後に記載したアーカイブリンクからご覧くださいませ)

Penのフェイスブックを見ていたら、東京・表参道にオープンした葛粉を使わない関東流くず餅のお店オープンの情報が出ていました。
「お、そういえば2月頭の出張のとき、本葛を使った関西流くず餅が看板メニューの店に行ってきたぞ」
と思い起こして急遽ここにお届けすることに。

実は東京からの出張前に、尊敬する京都在住のファッションデザイナーさんに、行くべきスポットをお伺いしてました。
そこで観光ガイドには載らない高級焼肉店などに混じってリストアップされていたのが、和モダンカフェの「ZEN CAFE(ゼン カフェ)」と、そこを運営する老舗和菓子店「鍵善良房(かぎぜんよしふさ)」。
ともに京都市の中心部から歩ける距離の、舞妓さんで有名な祇園エリアにあります。
「これは行かねば」と興味津々でまず足を運んだのがゼン カフェです。

ZEN CAFE

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庭が見えるカウンター席でひとり静かにオーダーした、くず餅。量がありすぎるきなこ(嬉しい)と、たぷたぷの黒蜜がセット。風格ある器も大人感覚。
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「吉野葛」という本葛粉と砂糖と水だけのシンプルさ。

「本体に味がついているからまずは何もつけずにどうぞ」との案内でサーブされたくず餅セット。
確かにこれだけでおいしい。
粘らない優しい弾力と、舌と上あごで押しつぶすとゆっくり溶けていく滑らかさ。
ほんのり感じる葛の風味と、ごく穏やかな甘み。
この繊細さは……しばし時を止めさせてくれた体験。

きな粉との相性ももちろん抜群で、黒蜜は私があまり好まないためでしょう、別のソース(ソース?)でもいい気がしました。
小豆ぜんざいのようなものとか。

入店したときはタイミングがよく、今の社会情勢で観光客が少ないこともあり私ひとりで店を独占できた贅沢な時間でした。
(すぐに母親と娘の親子がおしゃべりしながら入店してきて、カウンター席に座ってペ〜ラペラと。ファンタジーなひとときはほんの一瞬で過ぎ去りました)

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ウィズコロナ時代の工夫されたおひとり様席。
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カウンター横の壁には一輪挿し。季節の花(たぶん)で茶室のような気分。

観光ガイドにも載る店でありつつ、京都のファッション業界人も認める、空間も味もさすがの素敵さでした。
似た店構えは東京にもあるかもしれませんが、祇園の花見小路あたりを歩いてここに行くから気分上がるんです。

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鍵善良房 四条本店

「このさいゼン カフェの近隣エリアにある大元の店にも行ったれ」と、カフェを出てその足で祇園の大通り「四条通り」沿いの鍵善良房に。
目当てのメニューはもちろん、くずきり。
くず餅があれだけうまいのだから、さほど好きでなかったくずきりにも感動できるかも、と。

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歴史を物語る店構え。エントランスすぐ内側は、和菓子の販売コーナーで喫茶はその奥の部屋。
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人が消えた瞬間に店内をスナップ。繁華街なこともあってでしょう、年配客が頻繁に訪れてました。若いカップルらもいて客層が広い印象。
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どん、と置かれた大きな器。上部が蜜で下部がくずきり。
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柔らかくも噛みごたえがあり、風味と食感を楽しむものという印象。
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水を冷やす透明なロックグラスにしばし見入る。夏ならもっと癒やされそう。

食事か!と思うほどたっぷりの分量。
これ、確かにおいしいのですが……私の身勝手な味覚センスだとお菓子には感じられなくて。
「甘い蜜より、ゆず唐辛子やだし醤油で食べたら極上にうまいんじゃね??」と思い続けて最後まで。
テーブルを見回したものの、むろんそんな調味料は用意されておらず。
量がすごいから、途中で少し飽きがきていろいろ考えちゃいました。
次に同店に行ったらわらび餅とかほかのメニューにトライします。

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清水寺もほど近い高台寺エリアに支店あり。鍵善良房は京都市内に3店舗(ゼン カフェ含む)で、デパート出店しない希少性があるこだわりの老舗。

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ZENBI−鍵善良房−KAGIZEN ART MUSEUM

ゼン カフェの路地の向かい側にある、2021年にオープンした鍵善良房が運営する和菓子関連の美術館に舞い戻り、記念に入ってみることに。
4月までの展示物は「美しいお菓子の木型」。

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洗練された佇まい。右側建物はミュージアムショップで、左側が美術館。
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2フロアで小部屋にわかれたコンパクトなつくり。食事処や旅館のムード。
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砂糖と米粉などを混ぜて固めた「落雁」の歴史的な木型が現在の展示内容。主に鍵善良房が所有するもの。

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鯛の木型大きい!“めでたい”のだから大きくってことなのでしょう。
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ガラスケースの中もすべて落雁の型。

だいぶコンパクトな美術館。
現在の展示は落雁の型以外見当たらず、鍵善良房の商売道具を集めたと考えると東京の大手メーカーなら無料で見せそう(宣伝として)。
「入場料¥1,000はちょっと高いかなあ」、とは思ったものの、観光地だからこれはこれで。

今回の3つのスポット、取材出張の合間に和ませてもらった日本の心のひとときでした。

All Photos©KAZUSHI

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高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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