【ムッシュ ディオール by アンヌ=ソフィー・ピック】クチュールと美食が出合う日本初のレストランで、ディオールの世界観に五感で浸る

  • 文:Pen編集部
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今年の5月に大阪・心斎橋にオープンした「ハウス オブ ディオール 心斎橋」。その4階にあるのが、日本初のディオールのレストランとなる「ムッシュ ディオール by アンヌ=ソフィー・ピック」だ。オープンから3カ月を経て着実に人気を集め、大阪で欠かせない美食スポットになっている。料理を手掛けるのは、フランス・ヴァランスの三つ星レストラン「メゾン ピック」を率いるアンヌ=ソフィー・ピックだ。

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「ハウス オブ ディオール 心斎橋」の4階に位置する「ムッシュ ディオール by アンヌ=ソフィー・ピック」。内装はフランス・パリのディオール本店と同様に、世界的建築家のピーター・マリノが手掛けた。 photo: DEN NIWA

ディオールと料理。一見すると意外な組み合わせだが、クリスチャン・ディオール自身が食をこよなく愛したことを知れば、それほど遠い関係ではないことがわかる。ディオールは花や庭を愛し、自邸の庭にも強いこだわりを持っていた。そうした自然への愛情は、ドレスの刺繍やプリントにも繰り返し登場する。料理もまた、彼にとって大切な文化のひとつであった。「ムッシュ ディオール 大阪」は、そんなクリスチャン・ディオールの美意識を、料理と空間によって体験できる場所と言えるだろう。

クリスチャン・ディオールがデザインしたドレスに見られるような流麗なドレープや重なり合う生地を想起させる、波打つ外観が特徴的な、藤本壮介が設計した「ハウス オブ ディオール 心斎橋」。店内の空間設計は、パリにあるディオール本店も手掛けた、ピーター・マリノによるもの。4フロアからなる店内は、アリス・エイコックの彫刻作品を取り囲むように配置された螺旋階段で結ばれ、その最上階に「ムッシュ ディオール by アンヌ=ソフィー・ピック」はある。

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藤本壮介がファサードを設計した「ハウス オブ ディオール 心斎橋」。 photo: DEN NIWA
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4階のレストラン「ムッシュ ディオール 大阪」へは、御堂筋に面した正面入り口とは別の専用のエレベーターで向かう。 photo: DEN NIWA

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ピーター・マリノが描く「ディオールの庭」と、三つ星シェフのアンヌ=ソフィー・ピックによる華麗な料理が融合

専用のエレベーターで4階に上がると、まず目を引くのが、建築家ピーター・マリノによるインテリアだ。パリ・モンテーニュ通りの本店をはじめ、ディオールの世界各地のブティックを手掛けてきたマリノは、今回のレストランで「庭」をひとつのテーマにしたという。クリスチャン・ディオールが愛した庭や花を、インテリアの中に美しく昇華した。

店内は、家具やアート、照明など、さまざまな意匠を組み合わせながら、ディオールらしいエレガンスを表現し、落ち着いた空間に仕上げている。クリスチャン・ベラールやクロード・ラランヌらの作品が配され、フラワーアーティストの東信によるインスタレーションも置かれている。まさに、空間そのものがディオールの世界観を伝える舞台になっていると言えるだろう。

そんな華やかな店内に最高の色づけをするのが、アンヌ=ソフィー・ピックがつくる料理だ。フランス南東部ヴァランスで1939年に創業した「メゾン ピック」の3代目オーナーシェフである彼女は、現在世界で最もミシュランの星を持つ女性シェフとしても知られている。

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大阪・心斎橋の「ムッシュ ディオール」の料理を監修するアンヌ=ソフィー・ピック。 photo: Taito Itateyama

アンヌ=ソフィー・ピックは、2007年に旗艦店「メゾン ピック」でミシュラン3つ星を獲得。本場フランスでミシュラン三つ星を獲得した初めての女性シェフであり、祖父のアンドレ・ピック、父のジャック・ピックに続き、親子3世代にわたりミシュラン三つ星を保持する稀有な存在だ。

11年には「世界のベストレストラン50」による「世界最優秀女性シェフ」に選出。豊かな創造性とパイオニア精神にあふれるアンヌ=ソフィー・ピックは、現在、世界で最も多くミシュランの星を獲得した女性シェフとなっている。

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コース料理の一例。ランチのコースは3品¥12,000(サービス料別、以下同)と4品¥15,000から選べ、ディナーは¥23,000と¥30,000の2コースを用意。写真の「レトワール ドゥ メール」は、クリスチャン・ディオールが愛したグランヴィルのビーチを彷彿とさせるヒトデをモチーフに、ウニの潮の⾹りや、ミカンとディルの爽やかさが味わいを際⽴たせる。 photo: LARA GILIBERTO
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左:アンヌ=ソフィー・ピックのアイコニックな料理のひとつ、ラビオリを斬新にアレンジした「レ ベルランゴ レオパード」。コンテチーズを詰めたパスタに、竹炭やカカオを練り込んだ黒い生地を重ねて“レオパード柄”を表現した。 右:伊勢海⽼の⾝と湯葉が繊細な⾷感のハーモニーを奏でる「ル セルクル クチュール」。コニャックとカレー⾵味を効かせた甲殻類のビスクが、さらなる輝きと深みを演出する。 photos: LARA GILIBERTO

彼女の料理の特徴は、香りを重ねることにある。ピックが料理を考えるうえで大切にしているのが「Suffusion / Imprégnation」(浸透、浸潤)という考え方だ。ひとつの素材に別の香りや味を重ね、口にした瞬間だけでなく、その後に残る余韻までをもデザインする。

ハーブやスパイスなどを巧みに使い、甘味、酸味、苦味、香りを組み合わせていく。そのため、彼女の料理は見た目の華やかさだけではなく、口に入れてから味が変化していく面白さがある。また、「ムッシュ ディオール 大阪」では、出汁や米酢、そば茶、醤油など、日本の食材や調味料も積極的に取り入れ、この地でしか味わえない“唯一無二”の料理となっている。

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クリスチャン・ディオールを象徴するフレグランス「ミス ディオール」に使われる千⿃格⼦を、アンヌ=ソフィー・ピックのシグネチャーデザートであるミルフィーユの上に表現した「ル ミルフィーユ ブラン」。その中⼼からは、まるで味わうことのできるフレグランスのように、バニラとジャスミンの⾹りが漂う。 photo: LARA GILIBERTO

ピーター・マリノによって再構築されたクリスチャン・ディオールが愛した「庭」と、そこで味わうアンヌ=ソフィー・ピックの料理。それは、食事という体験を通してディオールの世界に深く“浸る”ことを叶えてくれるだろう。

ムッシュ ディオール by アンヌ=ソフィー・ピック

住所:大阪府大阪市中央区心斎橋筋1-9-17 ハウス オブ ディオール 心斎橋 4F
営業時間:11時30分〜15時、18時〜22時30分
定休日:月曜(水曜はランチのみ営業)
電話番号:06-7632-1450
www.dior.com

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