(レコードプレーヤー)
DENON DP-500BT デノン P-500BT
デジタルオーディオはサブスクが中心になったが、レコードジャケットを賞味し、盤を手にして「音楽がこの中に詰まっている」という実感が持てるアナログは、趣味性が横溢している。そんなレコード文化がいま人気だ。筆者のレーベルで今年4月にリリースした情家みえの45回転LP『ボヌール』は初期ロットがすでに完売。アナログに吹く風を実感した。
入門用のレコードプレーヤーを推薦してほしいとよく言われるが、最近はデノンの新製品「DP−500BT」を推している。フラグシップ「DP−3000NE」の技術エッセンスを多数採り入れたハイコスパなプレーヤーだ。
デノンは日本のアナログ文化の老舗。放送局用のプレーヤー開発をはじめ、技術蓄積は膨大だ。たとえば、プレーヤーの肝となるトーンアーム。1971年の名機「DP−5000」のS字型トーンアームの仕様をもとに、OB技術者の助言を受けて再開発された伝統の高性能アームが「DP−500BT」に搭載されている。
初心者にも優しい仕組みもうれしい。まずは内蔵のフォノイコライザーアンプ。フォノ入力がないアンプなどにも直接接続できるので、外付けフォノイコライザー不要で導入しやすい。さらにオートリフトアップ&ストップも便利。聴きながら寝落ちしても再生終了したらアームが自動で上がり、ターンテーブルの回転も停止する。
付属のMMカートリッジで聴いた印象を記す。キーワードは〝音源のツボを見事に押さえた音〟だ。冒頭のLP『ボヌール』は、45回転ならではのワイドレンジで、音場は濃密。アナログらしい声の生々しさ、音像の絡み合い、音の深さを感じた。アナログレコードの魅力を再発見させてくれる傑作プレーヤーだ。
麻倉 怜士
デジタルメディア評論家。デジタルシーン全般の動向を常に見据える。著書に『高音質保証! 麻倉式PCオーディオ』(アスキー新書)、『パナソニックの3D大戦略』(日経BP社)などがある。デノンお客様相談センター
TEL : 0570-666-112


