毎日、何気なく通り過ぎている駅。けれど世界に目を向けると、その風景はまるでSF映画のワンシーンのように変わる。今回はPen Onlineの連載「世界のデザインニュース」から、思わず“ここで降りてみたい”と思わせる、SFのような駅空間を3つ厳選。
①地下へ誘う“宇宙船”のような異世界|「モンテ・サンタンジェロ駅」
イタリア・ナポリに登場した「モンテ・サンタンジェロ駅」は、彫刻家アニッシュ・カプーアによる芸術的アプローチが際立つ地下鉄駅だ。耐候性鋼で覆われた巨大な入口は、地面が裂けたかのような造形や管状のフォルムを持ち、まるで宇宙船や洞窟のような異様な存在感を放つ。内部へと降りる動線は、ナポリの火山や冥界のイメージとも重なり、日常の移動行為を神話的な体験へと変換する。大学と住宅街を結ぶ実用的な役割を持ちながら、駅そのものが都市の象徴となる“アートステーション”構想の中核として機能。芸術と公共空間が融合した、新しい駅のあり方を提示している。
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②20年の歳月をかけた“鉄道の大聖堂”|「モンス駅」
ベルギー・モンスに誕生した「モンス駅」は、建築家サンティアゴ・カラトラバによる、まるでSF映画のような鉄道ターミナルだ。純白の鉄骨とガラス屋根が一体となり、約40本のアーチが連なる姿は“鉄道の大聖堂”とも称される。全長約165mの構造体は、分断されていた街の南北をつなぐ役割も担い、都市の動線そのものを再編する装置として機能する。内部には自然光が満ち、光と影がリズムを生み出す空間は、通勤者だけでなく人々が滞在したくなる場所へ。20年の歳月をかけて完成したこの駅は、単なるインフラを超え、都市の新たなランドマークとして存在感を放っている。
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③都市の全貌を映す“巨大な銀皿”|「カスール・アル・ホクム駅」
サウジアラビア・リヤドに誕生した「カスール・アル・ホクム駅」は、鏡面仕上げの巨大キャノピーが象徴的なハブ駅だ。ステンレス製の天蓋は街の風景を360度映し込み、見上げると頭上に“もう一つの都市”が広がるような錯覚を生む。視覚的インパクトだけでなく、強い日差しを和らげる環境装置としても機能し、太陽光発電や雨水の再利用などサステナブルな設計も徹底されている。地下35mには緑豊かな庭園を備え、駅は単なる交通結節点を超えた公共空間へと進化。歴史地区に位置しながら、都市の過去と未来をつなぐ象徴的存在となっている。