いま世界で最も大胆な都市実験を進めている国のひとつが、サウジアラビアだ。石油依存からの脱却を目指す国家戦略「ビジョン2030」のもと、観光や都市開発を軸にした巨大プロジェクトが次々と発表されている。
今回はPen Onlineの連載「世界のデザインニュース」から、未来都市サウジアラビアの象徴的プロジェクトを3つ厳選。
①世界一高いビルを目指す「ジッダ・タワー」
サウジアラビア西部の紅海沿岸で、世界一の高さを目指す超高層ビル「ジッダ・タワー」の建設が再び動き出した。完成すれば高さは約1000メートルに達するとされ、現在の世界最高層ビルであるブルジュ・ハリファを大きく上回る計画だ。
このタワーは大規模都市開発「ジッダ経済都市」の中心となる象徴的建築として設計された。建物は先細りの三角形をベースにしたY字型のシルエットで、ヤシの新芽をイメージしたデザインが特徴。風の影響を抑える構造と、エネルギー効率を考慮した設計が取り入れられている。157階の巨大建築にはホテル、住宅、オフィス、展望台などが入る予定で、完成は2028年を目指す。超高層ビルを単なるランドマークではなく、都市そのものを象徴する未来の旗印として掲げるプロジェクトだ。
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②海に浮かぶ“UFOホテル”「シェバラ・リゾート」
紅海に浮かぶ島に誕生した「シェバラ・リゾート」は、まるで銀色のUFOが海に着陸したような外観で注目を集めている。海上に並ぶ球体ヴィラはステンレス製で、空や海、砂浜の色を反射しながら周囲の景観と一体化する。
リゾートには73棟のヴィラが配置され、真珠のネックレスのように水上へ連なる景観が特徴的。デザインは海底から浮かび上がる泡をイメージしており、建物そのものが自然の風景に溶け込むよう計画されている。さらに施設は太陽光発電などを活用した完全オフグリッド型のリゾートを目指し、環境負荷を抑えた運営を実現。未来的な建築とサステナビリティを両立する、新しいラグジュアリーのかたちを示している。
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③6000人が暮らす未来の水辺都市「Jaumur」
サウジ北西部で進む巨大開発プロジェクト「NEOM」では、新たなウォーターフロント都市「Jaumur」の計画も発表された。マリーナを中心に、約6000人が暮らす居住コミュニティと観光拠点を兼ねた都市となる予定だ。
約500室のマンションと700棟のウォーターフロントヴィラが建設され、文化施設やレジャー施設も整備される。都市の中心には巨大マリーナが設けられ、ヨットやボートが集まる海洋都市として機能する。特に象徴的なのが、海へ突き出すくさび形の巨大構造物「エアロフォイル」。全長約1.5kmの建築がマリーナを覆い、港のランドマークとなる。都市開発、観光、研究拠点を融合させた未来型ウォーターフロント都市として計画されている。