【UFOが海に着陸】近未来空間に泊まる新感覚。魅惑のリゾートがサウジ紅海に降臨

  • 文:山川真智子
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サウジアラビア

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Images courtesy of Ema Peter

ターコイズブルーの海の上に連なる、いくつもの銀色の球体。近未来を思わせるこの不思議な建築物は、サウジアラビアに新たにオープンした「シェバラ・リゾート」のヴィラだ。野心的なデザインが周囲の自然と見事に調和し、これまでにないユニークかつラグジュアリーな空間を提供している。

真珠の鎖? 美しすぎる圧巻の景色

シェバラ・リゾートは、本土から 25 キロメートルの紅海に浮かぶ島に位置する。夏季の気温はアラビア半島の他の地域よりもはるかに快適なため、季節を気にすることなく楽しめる通年型リゾートとなっている。

このリゾートを特徴付けているのは、ドラマチックなデザインの 73 棟のヴィラだ。近未来を思わせるきらめく銀色のポッドはステンレス製で、それぞれの内部に客室が埋め込まれている。水上ヴィラは真珠の連なりのように海に浮かぶ鎖を形成。ビーチヴィラは淡い砂の上に佇み、周囲の物を映し出しながら水平線と一体化する。この眺めは第一印象としては圧倒的で、まさに未だかつてない超豪華リゾートを象徴するものと言える。

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Images courtesy of Ema Peter
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Images courtesy of Ema Peter

海の泡から着想。自然に溶け込む建築

設計を手掛けたのは、中東地域の主要なデザインスタジオの一つで、ドバイに拠点を置くキラ・デザイン。ホテルなどのホスピタリティ分野では前例のないエンジニアリング技術を駆使して、リゾートが持つべき新たなビジョンを今回の設計に積極的に取り入れている。

スタジオの創設者でデザインディレクターのショーン・キラは、シェバラ・リゾートは革新的な建築がいかに優雅に自然へと溶け込むかを示すものだと述べる。実はきらめくステンレスのポッドは、海底から浮かび上がる泡をイメージビーチを上方から見ると、なるほどそのように見える。ヴィラの前に立てば、建物が水平線に溶け込み、幻影のようにきらめくのが分かる。その底面は海や砂を映し、屋根は空を映す。リゾートは日の出から日没まで絶えず変化し、周囲の環境と一体化するのだという。

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Images courtesy of Ema Peter

こだわりの内装 サステナビリティも重視

ヴィラ内部のインテリアは、最先端のデザインで数々の有名ホテルや高級ブランドのプロジェクトに携わってきたスタジオ・パオロ・フェラーリが担当。レザーや木材を使用し、手作業による細部へのこだわりも随所に施され、スーパーヨットを彷彿とさせる豪華な造りとなっている。部屋タイプは、 1 ベッドルームから 4 ベッドルームまで幅広く用意。一部のヴィラはプライベート使用ができる小島に作られ、専用ヨットドックも備えられている。すべてのヴィラには、プライベート・プールが完備されている。

リゾートは自然環境の保護を重視しており、天然の珊瑚礁やラグーンの豊かな生態系を壊さないよう沖合に建設された。また、全電力供給に加え、海水淡水化、冷却、照明、輸送を賄う太陽光パネルパークを建設し、完全にオフグリッドかつカーボンニュートラルな運営を実現している。

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Images courtesy of Ema Peter

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山川真智子

●Webライター
早稲田大学第一文学部卒業。レコード会社に勤務した後に渡米し、コミュニケーション学の修士号取得。米ノースウエスト航空機内誌の編集を経て、日本航空の機内エンターテイメントの選定買付に携わる。夫の転勤で通算9年の東南アジア滞在後、帰国して世界のニュースを紹介するライターに。現在は関西の片隅で、仕事の合間にフランス語学習に奮闘中。