士郎正宗の漫画原作のイメージを踏襲しつつ、多彩なメカや乗り物、兵器が登場する攻殻機動隊。アニメーションシリーズでメカニックデザインに携わった河森正治と寺岡賢司が、自身が手掛けた仕事を語った。本誌では『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』『イノセンス』の竹内敦志と『攻殻機動隊ARISE』の柳瀬敬之のコメントも掲載!
日常のツールとして急速に浸透したAIは、過去に例を見ない早さで進展している。そんな世界をネットの普及前、80年代末に予見した『攻殻機動隊』を、デザイン、都市論、宗教学など多様な視点から紐解いた。“新たな古典”と呼べる奥深き作品世界へ、いざ、飛び込もう。さらに、『攻殻機動隊』とPenがスペシャルコラボした「笑い男」ステッカーが巻末に収録。スマイルマークに添えられる文字は劇中と異なる『Pen』オリジナルであり、本誌だけの特別仕様で蘇る限定アイテムにも注目だ。
『士郎正宗から押井守、新作アニメまで――攻殻機動隊を見よ』
Pen 2026年3月号
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河森正治
担当作品:『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』
①猛禽類をモチーフに“死”を表現
「クライマックスに登場する変形攻撃ヘリなので、象徴的なデザインを心がけました。イメージは屍肉に群がる猛禽類。そこに、アメリカやロシア系の攻撃ヘリなどの要素を加えています。特徴は、がばっと腹部を開いて展開する大きな翼です。はらわたをさらけ出すような翼の展開に合わせ、射撃手の台座がせり出して素子たちを狙います。この機構も“死”を象徴するデザインです。ヘリのローターの下に翼を広げるのは、現実の空力的には非効率なデザインですが印象を重視。翼の先端に鳥の羽先を模したスタビライザーを配することで、生物的で不気味な動きを付加しています」(河森)


河森正治
1960年生まれ。アニメーション監督、メカニックデザイナー。携わった作品に『マクロス』シリーズ、『アクエリオン』シリーズ(原作、監督、メインメカ)、『機動戦士ガンダム0083スターダストメモリー』(メカスタイリング)、『エウレカセブン』シリーズなど多数。---fadeinPager---
寺岡賢司
担当作品:『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』
①丸みを帯びた、かわいいフォルム
「タチコマは士郎正宗氏からTVアニメ用に大まかな形状デザインをいただきました。3Dでの作画が決まっていたのですが、部分アップや“壊れ”などは手描きになるのでアニメにできる範囲での全体形状や細部が必要でした。丸くてかわいい(?)かたちを頭部とアイボールに採用。操縦区画は人がギリギリ入れる大きさです。指先と脚先は重量がかかる割には小さいので繊細な動きを出す作画に苦労しました」(寺岡)
②使用者の動きをトレースする機械
「義体よりも強い、“人が着る物”として考えました。悪役っぽく工業製品っぽく、フォルム重視。士郎正宗氏の人型ロボの形状「マンダシナ体型」を基本に、細く太く四角くアレンジしています。着るイメージですが、肩や腰の位置がキャラの体格と合わないのでスーツの手足の先は機械です。機能的には力を増加させる「倍力服」よりも「動きをトレースする機械」に近いです。顔が見えて表情がわかりやすいのが特徴です」(寺岡)
寺岡賢司
1962年生まれ。メカニックデザイナー。攻殻機動隊では「S.A.C.」シリーズに参加。関わった作品に『コードギアス 反逆のルルーシュ』(2006)、『機動戦士ガンダム00』(07)、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』(22)など多数。
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