オリンピックの記念モデルには、どうしても当たり外れがある。ロゴを配しただけで終わってしまう時計も、残念ながら少なくない。その点で、オメガが発表した「シーマスター ダイバー300M ミラノ・コルティナ2026」は、最初から空気が違っている。
2月6日に開幕する冬季オリンピックを前に登場したこのモデルは、スピードマスターに続く冬季五輪モデルの第二弾。ホワイトセラミックとグレード5チタンを主素材に採用した。雪と氷に覆われた世界、そして極限環境で戦うアスリートたちを想起させる素材選びだ。軽さと強度を高次元で両立しながら、43.5㎜のケースに確かな存在感を宿している。
ケースはポリッシュとブラッシュを巧みに使い分け、光の入り方で印象を変える。サンドブラスト仕上げのヘリウムエスケープバルブとリューズは、視覚だけでなく触れた時の感覚まで計算されたもの。ホワイトセラミック製ベゼルに刻まれたダイビングスケールは、レーザー加工によるポジティブレリーフで立体的に表現され、機能美としての完成度を一段引き上げている。
ダイヤルに宿るオリンピックの魂
ダイアルに込められた大会へのオマージュも見逃せない。ホワイトセラミック製文字盤に施されたレーザーフロスト加工によって、ミラノ・コルティナ2026のエンブレムに由来する「26」の軌跡が浮かび上がる。滑らかなラインは、雪面に刻まれる滑走跡を思わせるものだ。ロジウム仕上げの針とインデックスにはホワイトのスーパールミノヴァを配し、中央秒針には大会ロゴを想起させるブルーのグラデーションを添える。
ケースバックに刻まれた「ミラノ・コルティナ2026」のエンブレム。
ケースバックにはミラノ・コルティナ2026のエンブレムを刻印。一体型のホワイトラバーストラップとグレード5チタン製バックルの組み合わせも相まって、装着感は軽快だ。ムーブメントはコーアクシャル マスター クロノメーター キャリバー8806を搭載し、55時間のパワーリザーブと最高水準の精度を備える。
1932年以来、32回にわたりオリンピックの公式タイムキーパーを務めてきたオメガ。その歴史と経験が、この1本には静かに、しかし確実に刻み込まれている。記念性と実用性を高い次元で両立した、今年注目すべきシーマスターのひとつと言っていいだろう。
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