2025年、オメガの定番「スピードマスター」にさまざまな新作が加わった。オメガ渾身の新作について、Pen Onlineの過去記事から抜粋して紹介する。
スピードマスター 38 ミラノ・コルティナ2026
オメガが冬季五輪で初めて公式計時を務めたのは、1936年のガルミッシュ パルテンキルヘン大会。以来90年以上にわたりスポーツの歴史的瞬間を記録し続けている。来年のミラノ・コルティナ大会では、8競技・116種目すべてを計時。初採用となるスキー・マウンテニアリング競技にも挑むなど、その役割はさらに進化を遂げる。
本大会の開催を記念した新作「スピードマスター 38 ミラノ・コルティナ2026」は、フルポリッシュ仕上げのステンレス・スチールケースに、ブルーのセラミック製ベゼルを組み合わせ、ホワイトエナメルのタキメータースケールを配する。
ダイヤルはホワイトラッカー仕上げに淡いブルーのフロスト加工を施し、指先でなぞったような“軌跡”を描く。このディテールは、ミラノ・コルティナ2026のエンブレムに用いられた “26” をモチーフにしたもの。さらにサブダイヤルにはアジュラージュ装飾を施し、整備されたスキーコースの斜面のような、繊細な立体感を演出する。
スピードマスター ダーク サイド オブ ザ ムーン
宇宙をテーマにした腕時計は数あれど、地球から月面へとその軌跡を初めて刻んだのは、ただひとつ。それがオメガのスピードマスター、通称ムーンウォッチである。2013年には、そのスピードマスターをモダンに再構築し、革新的な技術とセラミック加工を融合させた「ダーク サイド オブ ザ ムーン」が登場。ロマンと革新、そしてレガシーを受け継いだこのコレクションは、瞬く間に世界中のコレクターを魅了した。そして今回、12年の時を経て、個性豊かな4種類のダイヤルを備えた7つの新モデルが、満を持して加わる。そのすべてに、オメガがこれまで培ってきた宇宙への敬意と、未来への革新性が息づいている。
数々の進化を遂げた本コレクションにおいて中核を担うのが、オメガが誇るセラミック加工技術だ。セラミック素材は、硬質で耐久性に優れる一方、加工がきわめて難しいという“諸刃の剣”でもある。時計ケースの製造には、一般的なステンレススティールの約20倍もの工程を要するとされている。本コレクションでは、4年もの歳月を費やして完成させた面取りポリッシュ仕上げの高度なセラミック技術により、精度・奥行き・輝きのすべてにおいて、かつてない表情を実現。まさに、オメガが誇る技術の粋が集約されているといえる。またトレンドに左右されない44.25mmの存在感を保ちながらも、フォルムはより洗練され、シャープに進化した。
スピードマスター ムーンフェイズ メテオライト
1969年、オメガの「スピードマスター」を身に着けたアポロ11号の宇宙飛行士ニール・アームストロングらが人類初の月面着陸を実現して以来、オメガは宇宙と、そして夜空と途絶えることのない絆を結んできた。このつながりを祝し、2025年最初の新作として、ムーンフェイズ機能を備えた「スピードマスター ムーンフェイズ メテオライト」が今年発売された。
新作はブラックとグレーの2モデルをラインナップ。いずれも43㎜のステンレス・スチール製で、新たに開発した手巻きの「コーアクシャル マスタークロノメーター キャリバー9914」を搭載。
注目すべきは宇宙をモチーフにしたダイヤルのデザインだ。本物の鉄隕石をあしらって唯一無二の模様をつくり出し、ブラックPVDまたはガルバニックグレーの加工を施すことによって、独特の美しさをもたらしている。
ムーンフェイズのディテールもこだわりが満載。6時位置のムーンフェイズ表示にカボションシェイプの2つの月隕石があしらわれ、回転しながら南北両半球の月相を楽しむことができる。また、その背景のデザインは、アポロ11号の歴史的な瞬間にスイスのオメガ本社から見上げた星空を再現している。