デュアルタイムか永久カレンダーか、A.ランゲ&ゾーネから時計愛好家も唸る待望の新作が登場

  • 文:並木浩一

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ドイツの名門時計、A.ランゲ&ゾーネから注目の新作2モデルが発表された。ひとつはプラチナ製ケースにロディウムカラーダイヤルで登場した「ランゲ1・タイムゾーン」。もうひとつはホワイトゴールド製ケースにピンクゴールド製ダイヤルを合わせた「1815 ラトラパント・パーペチュアルカレンダー」。圧倒的な技術の高さと伝統的な仕上げの美しさで時計愛好家を唸らせる名品に、新たなカラーコーディネーションのスタイルが加わった。

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アシンメトリックなデザインが特徴的な「ランゲ1」コレクションの中で、秀逸なデュアルタイマーを内蔵する「ランゲ1・タイムゾーン」。一瞬でホームタイムと第2時間帯の時刻を読み取ることができ、デイ・ナイト表示と第2時間帯のサマータイムマーカーを搭載。 ロディウムカラーダイヤルを備えたプラチナ950製ケースが新作として登場した。
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ラトラパント(スプリットセコンド)・クロノグラフに永久カレンダーを組み合わせたハイレベルな複雑時計「1815 ラトラパント・パーペチュアルカレンダー」に、クラシックなデザインの新作が加わった。18Kホワイトゴールド製ケースにピンクゴールド製のダイヤルというセットアップが新鮮だ。

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プラチナを纏い、端正な美しさを誇る「ランゲ1・タイムゾーン」 

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「ランゲ1・タイムゾーン」としてラインアップしている、ホワイトゴールドケース×ブラックダイヤル、ピンクゴールドケース×アルジャンテダイヤルの既存2モデルに加え、新作としてプラチナ950ケース×ロディウムダイヤルが今回追加された。

A.ランゲ&ゾーネの「ランゲ1・タイムゾーン」は、GMT機能を備えた機械式高級腕時計の中でも特に個性的な逸品だ。独創的な「ランゲ1」の文字盤デザインを活かしつつ、24の時間帯に対応する都市を選べる複雑機構は、他に例を見ない。A.ランゲ&ゾーネは2005年に、その初代モデルを発表し、時計界で大きな注目を集めた。

第2世代が誕生したのは2020年のことだ。この時に採用された自社製ムーブメント「キャリバーL141.1」には、サマータイムを直感的に伝える、画期的な機能が備えられている。第2時間帯として表示できる24都市のうち、サマータイムを採用している都市が選択されている場合には、その地名を指す三角形のインデックスに赤いマーカーが表れるのである。サマータイム不採用の都市・国の場合には、赤色は登場しない。この秀逸なサマータイムマーカーを備えた「ランゲ1・タイムゾーン」第2世代に今回加わったのが、プラチナケースとロジウムカラー文字盤の新作である。

既存のホワイトゴールドモデルがブラックダイヤルなのに対して、今回採用されたロジウムカラーはニューモデルであることを一目瞭然にさせると同時に、外観上の洗練された雰囲気を強めている。抑えたトーンによりホームタイム、セカンドタイムゾーン、アウトサイズデイト、パワーリザーブ表示に24都市リングを配置した巧みなレイアウトの魅力は、より際立って映る。

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「ランゲ1・タイムゾーン」に搭載される自社製ムーブメント、「キャリバーL141.1」。伝統的な洋銀製4分の3プレート、ビス留め式ゴールドシャトン、ブルースクリュー、スワンネック型精度調整装置のほか、一つひとつ手彫りしたテンプ受けと中間車の受けなど、A.ランゲ&ゾーネならではの技術を、サファイアクリスタルのシースルーバックから堪能できる。

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時に、そこにサマータイムマーカーがレッドのアクセントを添える。セカンドタイムゾーンは8時位置にあるボタンを押すことにより24都市リングが回転し、時間帯を切り替えていくのだが、サマータイム採用都市の場合には三角インデックスの中がレッドに変わる。そしてホームタイムかセカンドタイムが夜間の場合には、色で示されるデイ・ナイト表示が現れる。午後6時~午前6時のナイトタイムには、青い半円弧がそれを知らせるのである。

操作性も極めて高い。ふたつのタイムゾーンは、リューズのポジションを選ぶことで同期させながら、同時に調整・時刻合わせを行うことができる。一方で同期させることなくメイン時刻を単独で新たに設定することも可能だ。メインタイムと連動しているアウトサイズデイトの修正は10時位置にあるプッシュボタンで行える。複雑なメカニズムの一方、ユーザーフレンドリーな使い勝手に、ブランドの誠実さが垣間見られる。

優秀にして上品。白色金属の特色を最大限に引き出したプラチナケースと同系色ダイヤルの組み合わせは、「ランゲ1・タイムゾーン」のラインアップを完成させる最後の一筆だ。既存のピンクゴールド・ホワイトゴールド版とは、ひと味異なる味わいで魅せる。

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「ランゲ1・タイムゾーン」/オフセンターの独創的なデザインを採る「ランゲ1」のレイアウトを発展させた、セカンドタイムゾーン表示機能をもつ。最外周の24都市リングは5時位置の第2時間表示と連動し、当該都市がサマータイム採用地の場合は赤のマーカーを表示する。3時位置第サークルのメイン時刻表示と第2時間表示はいずれも、当該地が夜間の場合はブルーの半円弧でデイ/ナイト表示を行う。AUF/ABで表示するパワーリザーブ・インジケーターを装備。手巻き、PTケース、ケース径41.9㎜、パワーリザーブ約72時間、シースルーバック、レザーストラップ。価格未定(時価)

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クラシックな装いとは裏腹に、驚愕の機能を搭載した「1815 ラトラパント・パーペチュアルカレンダー」

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ホワイトゴールド製ケースにピンクゴールド製ダイヤルを纏って登場した「1815 ラトラパント・パーペチュアルカレンダー」の新作は、ラトラパント・クロノグラフと永久カレンダーをひとつに統合した高度なコンプリケーションだ。

18Kピンクゴールド製ダイヤルは、A.ランゲ&ゾーネにとって「逸品の記号」とでも言えるものだ。過去には「ダトグラフ・パーペチュアル・トゥールビヨン」(2019年)と「ランゲ1・パーペチュアルカレンダー」(2021年)にのみ採用されており、今回の新作でやっと3番目。A.ランゲ&ゾーネのなかでも、ピンクゴールド製ダイヤルは極めて稀な存在なのである。それが「1815 ラトラパント・パーペチュアルカレンダー」の特別さを雄弁に物語る。

最初に「1815 ラトラパント・パーペチュアルカレンダー」が姿を現したのは、2013年のことだ。グラスヒュッテの自社工房で開発・製作したムーブメントは、ブランド8番目のクロノグラフ・キャリバーに当たる。しかもそれだけではなくラップタイム計測、タイムの比較、60秒以内の中間タイム計測が可能な“ラトラパント”であり、しかも閏年まで機械的に把握して表示する永久カレンダーなのである。

グレゴリオ暦の規則の例外である次の「100で割り切れて400で割り切れない年」=2100年の3月1日まで、カレンダー表示の修正は不要である。また高精度のムーンフェイズ表示が1日分の誤差を生じて修正の必要が生まれるのは、122.6年後のことである。

複雑さを三重に重ねた機能を、しかも「1815」のノーブルなスタイルに収めることに成功した。天地左右4つのサブダイヤルを、12時位置ではクロノグラフの30分積算計とパワーリザーブ ・インジケーター、3時位置で月と4年間の閏年サイクル表示、6時位置はスモールセコンドとムーンフェイズ、9時位置は日付と曜日表示にと割り振った。

さらに2本のスプリットセコンド・クロノグラフ秒針を配し、外周には1/6秒単位での計測を想定した目盛りを刻む、レイルウェイ型のミニッツトラックを敷く。アラビア数字のアワーマーカーと5刻みのミニッツ/秒表示までを網羅し、それでもピンクゴールドの文字盤は、いささかもノーブルさを失わず、むしろ精緻さを誇らしげに見せる。

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搭載される手巻き式の「キャリバーL101.1」は、631個ものパーツから構成される複雑ムーブメントだ。永久カレンダー機構だけで211個、さらに206個のパーツがふたつのコラムホイールで制御するラトラパント・クロノグラフ機構を司る。手彫りされたテンプ受けはじめ、グラスヒュッテ・ストライプ仕上げのブリッジなど、隙のないフィニッシュが美しい。

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複雑さを極めたムーブメントの眺めは圧巻で、それをサファイアクリスタル製のシースルーケースバックから楽しめるのも、この時計の大きな魅力だ。伝統的な機械式複雑時計のメカニズムは、ふたつのコラムホイールの作動を含む可動部分の息遣いから伝わってくる。

そうした動的な眺めの一方で、A.ランゲ&ゾーネらしい“静的”な魅力である、仕上げの美しさも極上だ。あらゆる可動部品の上面には仕上げ加工が施されており、一部の隙もない。周辺部の面取りの完璧に磨き上げられたポリッシュ仕上げは、クラフツマンシップに裏打ちされた、熟練した職人の技だ。

とびきりの複雑時計が、端正なホワイトゴールド製ケースと、温かみのあるピンクのカラートーンで装うのは、異次元のエレガンスだ。技術的達成でどこに出しても人の賞賛を呼ばずには置かない時計は、貫かれた美意識でも、人を惹きつけずにはおかないのである。

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「1815 ラトラパント・パーペチュアルカレンダー」/ラトラパントの2本のクロノグラフ秒針はそれぞれブルースチールとロディウム仕上げのスチール製。その他もところどころにブルースチール製の針を効かせた。「手巻き、18KWGケース、ケース径41.9㎜、パワーリザーブ約42時間、シースルーバック、レザーストラップ。世界限定100本、ブティック限定。価格未定(時価)

問い合わせ先/A.ランゲ&ゾーネ  TEL:0120-23-1845
https://www.alange-soehne.com