「オートモビル カウンシル 2023」徹底レポート 前編

  • 文&写真:内田栄治

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今年もこの季節がやってきた。幕張メッセで4/14-4/16まで開催されたオートモビルカウンシル。
今年でついに8年目、規模も前回の1.5倍とのこと。よって今回は前編と後編でレポートしますので、お付き合いいだければ幸いです。
当初、クラシックミーツモダンを合言葉にスタートしたこのイベント、今はその言葉にフューチャーが追加され新旧のクルマが一堂に会するモーターショーに並ぶイベントになりつつある。展示してあるクルマは購入も可能というのが一層ワクワク感を駆り立てる。
このイベントで一目惚れしてしまい、真剣に購入を検討してる諸氏も少なからずいるのではと思う次第。


さて、早速クルマをご紹介したいと思います。

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【主催者展示コーナー1 ポルシェ911 60周年記念】

会場のエスカレーターを降りて一番最初に目に飛び込んでくるのが主催者展示のコーナー。
911が日本に導入され60周年。ここには新旧のエポックメイキングなポルシェが並べられていた。

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下の写真はナローポルシェの最終型1966年の911。130PSを発揮する2LSOHCの自然吸気フラットシックスは正にカミソリのレスポンス
車重も1,080kgと軽いため軽快でスポーティなクルマであることは容易に想像できる。

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続いては、もはや神格化された73カレラRS2.7。マニア垂涎のクルマであるが、途方もない価格になってしまった。
ダックテールと呼ばれる小さめのリアスポイラーが特徴。

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ポルシェ959 80年代半ばのクルマであるが当初グルッペBとも呼ばれていた。
自然吸気2.9L DOHCフラット6は450PSを発揮。ポルシェ911初のフルタイム4WDで
走る実験室の意味合いを持っていた、バイザッハのテストコースでテストドライバーが松任谷氏を乗せて全開走行し
氏が失神寸前になった映像は今でも忘れられない。

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カレラGT、ベストサウンドオブポルシェとも言われる。エンジンは自然吸気5.7LV10をミッドに搭載、612PSを発揮するが運転が難しいことでも有名。

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【主催者展示コーナー フェラーリ・スペチャーレ(特別なという意味)】

もう一つの展示コーナーはフェラーリ。フェラーリ創業者のエンツォ生誕125周年を記念して企画された。

下の写真は最も新しいモデル、シングルシーターのフェラーリ・モンツァSP1。自然吸気6.5LV12エンジンをフロントに搭載810PSを発生する。
当時フェラーリ会長だったマルキオンネが50年代のレーシングスポーツ750モンツァを好きと発言したことから開発されたと言われている。
マルキオンネは自らフェラーリのハンドルを握るクルマ好き、ネクタイをしないことでも有名だったが残念なことに2018年66歳の若さで病気により他界した。

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筆者も初めて本物を見たJ50。488スパイダーをベースに開発、2016年に発表されたモデルで日本市場進出50周年を記念して10台だけ製作された。
そのデザインは最新型のフェラーリに引き継がれている。

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エンツォフェラーリ。2002年創業者の名を冠したモデル。日本人デザイナーKEN OKUYAMAのデザインで有名。
F140Bという自然吸気6LV12DOHCエンジンをミドに搭載。出力は660PSを発生。パドルシフトでの操作が可能。

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F50 1995年フェラーリ50周年を記念したモデルで路上を走るF1マシンと言われる。4.7L自然吸気V12エンジンは520PSを発生。
快適性を度外視しているためエンジン音と振動は相当な覚悟をドライバーに強いる。最もスパルタンなモデル。

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F40 最も有名なフェラーリの一つで人気も非常に高い。1987年フェラーリ40周年記念モデルとして作られた。
エンツォが指揮をとった最後のフェラーリと言われている。2.9LV8DOHCツインターボエンジンは478PS。
トリッキーな操縦性で知られドライバーにはそれなりの腕を要求される。バブル期、中古車が新車価格の4倍の2億円で取引され話題となった。

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F288GTO 1984年に発表されたグループBのホモロゲーション取得を目的に開発された。外見は308GTBに似ているが中身は別物。
2.9LV8DOHCツインターボエンジンは406PSを発生。生産台数が272台と非常に希少でコレクターズアイテムとなっている。

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さて、オートモビルカウンシルの良いところは買えるクルマが置いてあること。まずはドイツ車から見てみましょう。

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【ドイツ車編】

今回、ポルシェジャパンがかなり力を入れた展示をしていましたが、クラシックなポルシェの価値は上がる一方。
オーナーが安心してビンテージのポルシェに乗れるよう整備にも力を入れているとのこと。
今回は空冷3.0Lフラットシックスのバルブタイミング調整の実演をしていました。これはなかなか見れません。
筆者も964に5年ほど乗りましたが、こういった整備がなされていたと思うと頭が下がります。

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これも初めて実物を見た924GTRル・マン。レーシングチームに提供される目的で作られたこのクルマは17台しか無いと言われている。
日本にはこれ1台しかないとのこと。非常に希少なクルマ。もちろんサーキット専用。

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RENN SPORTS RSR coupe 3.4 レストモッドされた911RSR仕様のクルマ レストモッドとはレストアをしつつ現代にも通用するよう
モデファイすること。とても魅力的な仕上がりだった。

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ポルシェ914-6 フォルクスワーゲンと共同で開発されポルシェの廉価版として発表された914。
当初ワーゲンのフラット4を搭載、ワーゲンポルシェと言われたが後に911Tのフラット6を搭載するモデルも発表された。当時人気の無かったデザインも今は魅力的に見える。

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1982年 R107と言われるメルセデスSL500。とてもエレガントなデザイン。今見ても欲しくなるクルマの一つ。

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1960年のメルセデス 190SL。今回最も心を動かされた1台。この時代のSLというと石原裕次郎で有名な300SLを連想するが
価格的に遠い彼方に行ってしまった。190SLでも2,000万越えと相当に高いが300SLよりは可能性があると信じたい。
エンジンは4気筒SOHCで、排気量1897cc、最高出力105ps、車重は1,160kgのため当時としては速いクルマだった。

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さて後半はイタリア車と英国車、お楽しみに。

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