去る3月27日〜4月2日までスイスにて開催された世界最大の時計見本市「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2023」。複雑機構を得意とする実力派メゾンがこぞって競ったのが、トゥールビヨンの新たな表現方法だ。発明から200年以上を経て、いまも機械式時計の存在価値を象徴する機構であり、重力による誤差を補正するトゥールビヨン。各ブランドが誇る、魅惑的な逸品を刮目せよ!
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ヴァシュロン・コンスタンタン「トラディショナル・トゥールビヨン・レトログラード・デイト・オープンフェイス」
長い名前の示す通り、4つの魅力を持つ腕時計だ。6時位置のトゥールビヨン 、天側方向のレトログラード・デイト、オープンワークを施した文字盤、そして「トラディション」であること。どれかひとつだけでも特別な要素であるのに、それらを特別に統合したモデルは、きっと世界中で取り合いになる運命を纏った品だ。トゥールビヨンのケージはブランドのシンボルであるマルタ十字を象っている。スレートグレーのトーンで統一したダイヤルの上部には円弧上に並べた直線を、下部には垂直連続線をかたどったギョーシェが美しい。
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ジャガールクルト「レベルソ・トリビュート・デュオ・トゥールビヨン」
反転するレベルソのケースにフライングトゥールビヨンを収めて、第2時間を表示する裏面からの神秘的な眺めを確保するとともに、表側のブリッジを排して遮るもののない美しい眺めを実現した。絶品の舞台をアリーナ最前列のど真ん中で鑑賞しながら、バックステージパスも与えられている特別待遇に等しい。新しいウルトラスリムケースは、厚みがわずか9.15mm。文字盤は正調アールデコ・スタイルの表面と、ギョーシェなどの技巧が凝らされた裏面の両方が見ものだ。
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ウブロ「MP-13 トゥールビヨン バイ-アクシス レトログラード」
1分間と30秒でそれぞれの方向に1回転のツイストを見せる2軸のトゥールビヨンを装備。さらに時・分のバイレトログラードを上半分で展開することで、いっときたりともトゥールビヨンの眺めを遮ることがないようにしつらえた。しかもパワーリザーブは4日間と、日常使いを完全に視野に入れた性能を有している。ベゼルの形状を6時方向にドロップダウンさせて光を取り入れ、ケージ部分の可視性も高めた視覚効果も独創のアイデアだ。
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ブルガリ「オクト ローマ ストライキング パピヨン トゥールビヨン」
独創的な表示系の複雑機構を駆使した、堂々たるコンプリケーション。トゥールビヨンはセンターに配し、アワーは12時位置のディスク式ジャンピング表示、ミニッツトラックをダイヤル下部に半円形に配置し、2本の針が交互に表示を行う。機械式の超絶技巧を凝らした一方で、鮮やかなグリーンを効かせたカラーリング、サファイアクリスタル製のミドルケースから内部を透かす巧緻な構造のチタンケースが印象的。新時代のコンプリケーションとして大注目だ。
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シャネル「J12 ダイヤモンド・トゥールビヨン 」
シャネル自社製の「Cal.5」ムーブメントは、フライングトゥールビヨンの中心部分に0.18ctのひと粒ダイヤモンド、キャリッジも円形にダイヤをセットした独創的な作風を持つ。昨年のブラックに続いて登場したのが、「J12」のホワイトバージョン。白バックを得て煌めきながら回転する65面カットのダイヤは、現代トゥールビヨンの美学にしてひとつの頂点。ジュエリーウォッチの甘さと複雑な機構のシリアスさが拮抗するシークエンスを見せてくれる。
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