長野県富士見町の小さな集落に、世界的建築家である藤森照信の宿泊施設・藤森旅館(仮)が2023年の夏にオープン予定だ。日本初の泊まれる藤森建築オープンに向けて、施設の屋根を手曲げの銅板屋根にするべくクラウドファンディングが開始した。“みんなでつくる藤森建築”の実現を目指すプロジェクトとなっている。

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甲斐駒ヶ岳・ハケ岳・富士山の美しい山並みを望む4000平米の敷地に立ち上げる、一日一組限定(最大5名宿泊可)のB&Bスタイルの宿だ。敷地は2段に分かれており、下の段は宿泊者のプライベートエリアとして、芝生が広がる上の段は小さな交流の場として地元の皆様に開放する。日常から離れ、建物と自然豊かな風景をゆっくりと楽しむことができる。
「自然との調和」を建築最大のテーマとしている藤森の建築の魅力のひとつは、仕上げ作業に一般の人が関わること。著名な建築家の建物ではほぼ無いと思われる珍しい工程だ。旅館の屋根を、“手曲げの銅板屋根”にするためにクラウドファンディングを実施し、11月19日~21日の3日間、長野県茅野市で行われる銅板曲げワークショップの機会をリターンとして募り、“みんなでつくる藤森建築”を実現する(藤森より指導の日もあり)。
会場付近には、このプロジェクトのきっかけとなった「高過庵」、処女作の「茅野市神長官守矢資 料館」、新作の「五庵」などの藤森建築群があり、肌で藤森建築の魅力を感じることができる。藤森旅館の壁になる4mの杉の板を焼くワークショップや、オープン前の藤森旅館のプライベート見学会などユニークなリターンもあるので、気になる方はぜひ公式ページをチェック。
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このプロジェクトは藤森建築に惚れ込んだ山越典子が、ツテも資金もないまま2010年に藤森へ企画書という名のラブレターを送ったところからスタートした。 藤森から設計のOKをもらうまでに3年、土地探しに7年、設計や土地の事務手続きなどを経て、現在12年目に突入した長期プロジェクトだ。

左:藤森、中央、右:プロジェクト起案者の山越と家族
問い合わせ先:株式会社のちのち 代表 山越典子
MAIL:kurashimawari@gmail.com
クラウドファンディング公式ページはこちら