奈良・山添村の山の上にある1日3組限定の宿、ume, yamazoe。村に信号はひとつだけ。コンビニはない。部屋にテレビはない。でも自然と優しさとサウナがある。ちょっと不自由だけど、1日中スマホをずっと手放せない生活の中では、それが逆にとっても贅沢。

そんなume, yamazoeに感銘を受けて2021年に出版した『HAVE A GOOD SAUNA! 休日ふらりとサウナ旅』という旅エッセイ本でも紹介させてもらいました。大好きな宿・サウナです。前回お邪魔したのは2年ちょっと前。umeができあがって数ヶ月の頃でした。

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その時オーナーの梅守志帆さんが話してくれたこと。「不自由だからこそ気づけることってあるんです。ないと思っていることは、意外と自分の中にもうすでにあるものだったりするんです」

この2年間、その言葉をよくサウナで思い出していました。答えは結局自分の中にあるということ。前回はサウナの取材だけだったのですが、今回はうれしいことに宿泊で！夕焼け、夜空の星、朝日までの1日の流れをじっくり堪能してきました。

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夕方着いて一息ついたら、夕ご飯。食事はコースで1品ずつどんな料理でどんな材料かを説明してくれます。ほっこりするのが「ここから3分くらい降りていったところのおばあちゃんが持ってきてくれたきゅうり」とか「そこのおじいちゃんが持ってきてくれた柿」とか、村の人たちが持ってきてくれる食材を見て、今日はこれを作ろうか、と決めることも多いそうです。一晩だけだけれど、山添村の一員になった気分です。

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そして食後はサウナ！夜の写真では見えないので、朝サウナに入った時の写真を載せます。同じサウナ、同じ場所なのに、夜と朝ではまた違った景色と肌感でした。夜は虫の声を聞きながら星空を眺めて外気浴。朝は新鮮な空気と朝霧を眺めて外気浴。

ume, saunaは薪ストーブ。梅守さんが薪をしっかり管理してサウナを焚いてくれます。巨大なストーブだけれど、梅守さんの人柄がストーブに宿っているみたいに、強いのにやさしい熱。しっかりした熱なのに、おだやかで居心地がいい。梅森さんの「想い」がすべて五感で伝わってくるサウナです。わたしは梅守さんのサウナが好きです。

サウナを出たらサウナの上に登って、山添村のてっぺんで外気浴。空も星も月も太陽も木も村も、全部がそこにいてくれる。そしてわたしはその一部なんだ、ってすごく感じました。サウナは自然に帰ること、そして自分の心と体がもともとあったところに戻してくれるもの。こんな本物の自然の中でそれができたから、完全にゼロに戻せた気がしました。

朝は太陽と一緒に起きます。体が陽を浴びるので、眠たいな、もっと寝ていたいなという感じはなく、この目の前に広がる朝日を見なきゃ他に何するの？っていうくらい自然と起きて、朝日をじっと見つめてしまいました。

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早朝のサウナに入ったら朝ご飯です。こちらもまた近所のおじいちゃん、おばあちゃんにいただいたものや、地元で採れたものをたくさん使って作ってくれています。

テレビはなくていい、コンビニもなくていい。自然とやさしさとサウナがあれば十分。すばらしい宿です。梅守さんに会いに次は2年も待たずに、またすぐ来たいです。

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【画像】もう一度生まれることができる場所。奈良・山添村のサウナ「ume, yamazoe」

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