ブライトリングは1960〜70年代にユニークなダイバーズウォッチ「スーパーオーシャン スローモーション」をラインナップしていた。クロノグラフにもかかわらず、秒の計測機能を削除。センターの時分針と同軸のクロノ針は分積算計であり、1時間をかけてダイヤルを一周することから「スローモーション」と呼ばれた。カーレーサーなどと違って、ダイバーに必要なのは秒ではなく分単位の正確な把握と判断したという。それ以外の余計な要素を排除する一方で、分表示の視認性などを徹底的に追求した機能重視のモデルだった。
この「スローモーション」をベースモデルとして誕生したのが、「スーパーオーシャン」の2022年新作だ。クロノグラフではなく、時分秒の3針なので、ケースサイドにプッシュボタンはなく、リューズガードはあってもケースに沿って滑らかに造形しており、フォルム全体がスタイリッシュにブラッシュアップされている。その一方で、夜光を塗布した大型のバトンインデックスなど特徴的なダイヤル要素は継承。かつての“クロノ分針”が備えていた四角形のシンボルも、通常の分針に配置。オリジナルは6時位置にクロノグラフの作動状態を表示する丸い小窓があったが、新作では秒針の先端寄りに円形のシンボルをセットしてオマージュとしている。
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オリジナルのこだわりを継承する分表示リング
このダイヤルを取り巻く、際立ったコントラストの分表示リングが「スローモーション」特有のこだわりを象徴している。前述したように、ダイバーにとって最重要な分目盛りの視認性を圧倒的に高めたデザインだが、スモールセコンドを備えたオリジナルに対して、新作はセンター3針で日付表示もないので、プレーンなダイヤルにホワイトの分表示リングがより鮮やかに映える。ブロンズモデルだけはリングが明るいブラウンだが、ダイヤルとの明瞭なコントラストは共通している。往時の機能性とヴィンテージな雰囲気を残しながらも、すべてを現代的にアップデートした新作であり、回転ベゼルは傷がつきにくいセラミックはめ込みに変更。搭載ムーブメントもCOSC(スイス公式クロノメーター検定協会)の検査をクリアした高精度のクロノメーターで、2年間の保証付きだ。
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サイズや素材、ダイヤルカラーも多彩
コレクションの幅の広さも評価したい。ケース径は46、44、42、36㎜の4サイズ。とりわけ36㎜径のスモールモデルは、女性だけでなく、腕の細い男性にも無理なくフィットする。ケース素材はSS、 ラグジュアリーなSSと18KRGのコンビ、経年変化を楽しめるブロンズの3種類。スポーティなラバーストラップだけでなく3連のメタルブレスレットを選べる。どちらもフォールディングクラスプで備調整(約10〜15㎜)が可能。ケースサイズによるが、ダイヤルカラーもブラック、ブルー、ターコイズ、グリーン、ブラウン、シルバー、ホワイト、オレンジと豊富だ。サーフィンのチャンピオンであるケリー・スレーターと共同でデザインした限定モデルもラインナップされている。
新しい「スーパーオーシャン」は300m防水の本格派だが、マリンレジャーが醸す明るくはつらつとした雰囲気が感じられる。普段使いにすれば、自分自身はもちろん、周囲の気分をガラリと変えられるのではないだろうか。
問い合わせ先/ブライトリング・ジャパン TEL:0120-105-707
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