【Penが選んだ、今月の音楽】
『ヴィンセント』
2017年のデビュー作で熱心な音楽ファンを虜にしたフランス人マルチ奏者、ヴィンセント・フェントンのソロ・プロジェクト第2弾。メロウなビートと穏やかなボーカルが醸し出す、夢見心地の音楽体験はやはり格別。ソウルをベースに、ジャズやヒップホップを横断する洒脱なサウンドが甘くセクシーな余韻を残す。前作でも可憐な歌声を聴かせた(((O)))やトロ・イ・モアらゲスト陣も充実。妖艶なネオソウル「グリーナー」では、カルロス・サンタナの哀愁のギターが全編を彩る。深化を遂げた陶酔盤。
※この記事はPen 2022年8月号より再編集した記事です。