奴隷だった祖父と結婚した祖母に着想を得た、ブルース界の雄によるルーツ音楽

  • 文:栗本 斉(音楽&旅ライター/選曲家)

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【Penが選んだ、今月の音楽】
『ホワイト・ジーザス・ブラック・プロブレムズ』

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ファンタスティック・ネグリート FNWJBPJ ビッグ・ナッシング/ウルトラ・ヴァイヴ ¥2,750 6/3発売

過去3作すべてがグラミー賞受賞の快挙を達成した、コンテンポラリー・ブルース界の雄の4作目。植民地時代の1759年、黒人奴隷と結婚したスコットランド系移民の7代前の祖母の人生に着想を得たディープな作品ながら、耳心地は軽快そのもの。ビートルズの影響も色濃い組曲的構成の冒頭曲以下、R&Bからカントリーまでを取り込む、アーシーで多彩なブラック・ルーツ音楽が披露される。とりわけ、プリンスやスライ・ストーンが憑依したような終盤4曲は圧巻。次のグラミーも射程内の最高傑作。

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※この記事はPen 2022年7月号より再編集した記事です。