ギター五重奏が情感豊かな、ネオ・フォルクローレの新名盤

  • 文:木津 毅(ライター)

Share:

【Penが選んだ、今月の音楽】

『バ・シエンド・ティエンポ』

03_RCIP0330_Cover_Full.jpg
カルロス・アギーレ・キンテート RCIP-0330 インパートメント ¥3,300

アルゼンチン音楽ファンならずとも日本でその名を知られるネオ・フォルクローレの旗手が「キンテート」名義で放つ、ギター五重奏団の新作。長年の構想を実現した端正なギター・アンサンブルはやわらかな響きながらも滴り落ちるほどの情感に満ち、ジャズやクラシック、ブラジル音楽とも呼応するコンテンポラリーなアルゼンチン伝統音楽の美点を余すことなく描き出す。哀愁のメロディを叙情豊かに歌うアギーレの優しい歌声も魅力十分。聴くほどに心が潤う、新たなるネオ・フォルクローレの名盤だ。

関連記事

※この記事はPen 2022年6月号より再編集した記事です。