温かみと哀感漂う歌声が際立つ、気鋭ピアニストとのコラボ作

  • 文:栗本 斉(音楽&旅ライター/選曲家)

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【Penが選んだ、今月の音楽】
『オントレ・ウー・ドゥ』

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メロディ・ガルドー&フィリップ・バーデン・パウエル UCCM-1268 ユニバーサル・ミュージック ¥2,860

ビリー・アイリッシュも敬愛する、US女性ジャズ歌手のトップランナーによる2年ぶりの新作。「ふたりの間で」という表題どおり、ブラジル音楽の伝説的ギタリスト、バーデン・パウエルを父にもつ気鋭ピアニストとふたりで、キャリア初の全編ピアノとのデュオ作に挑戦。芳醇で深みのあるピアノの音色を背景に、温かくもどこか哀感漂う彼女の歌声が際立つ親密な作品となった。新曲を中心に映画『男と女』の「あらがえないもの」やバーデンの名曲「プレリュードのサンバ」も収録する、美麗なるパリ録音盤。

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※この記事はPen 2022年7月号より再編集した記事です。