圧倒的な映像力と緻密な音で「伝説の惑星」が目の前に現れる、『DUNE/デューン 砂の惑星』

  • 文:細谷美香

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【Penが選んだ、今月の観るべき1本】

「映像化不可能」という惹句がこれほど似合う原作はない。フランク・ハーバートによるSF小説に挑んだアレハンドロ・ホドロフスキーの企画は撮影前についえ、デヴィッド・リンチが監督した作品は成功したとは言い難い。しかしドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が手がけた『DUNE/デューン 砂の惑星』は、原作のファンはもちろん、新しいSF大作を待ち望む観客も満足させることは間違いないだろう。監督が初めて原作を手に取ったのは、10代の頃。「自然の描写が詩的で完全に魅了された。描かれている生態環境が非常に新鮮で、とてもパワフルに感じた」と語る。

砂に覆われた惑星デューンは、莫大な利益をもたらす資源である“香料”の生産地だ。この星を舞台に、未来を見る能力をもつ青年の運命と宇宙世界のカオスが描かれる。監督にとっての最大のチャレンジは、「ディテールまで描き込まれた豊かで複雑な文化同士の関わりを、観客を置き去りにしないようにわかりやすくスクリーンにもち込むこと」だったという。その言葉通り、VFXを駆使した壮大さとクラシカルなムードとを併せもつ映像、緻密なサウンドデザインとハンス・ジマーのエモーショナルな音楽が渾然一体となり、没入感のある世界がスクリーンに広がっている。うごめく砂の粒や、巨大な目玉のような砂虫、サンドワームの創造性あふれるデザインも特筆すべきだろう。監督は完成作について、こう話した。

「私にとっては心理スリラーであり、アドベンチャー映画。戦争映画でもあるし、主人公が大人になる過程を描く映画でもある。そしてこの映画はラブストーリーでもあるのです。これこそが、原作本が私の本棚にずっと置かれ続けた理由なのだと思います」

選ばれし者を主人公にしたこの叙事詩は、旅の始まりを目撃する興奮に満ちている。第2弾の製作を願ってやまない。

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多彩なキャストも本作の魅力。主演を務めるのは『君の名前で僕を呼んで』のティモシー・シャラメ。ともに運命に立ち向かう母をレベッカ・ファーガソン、主人公の夢にも現れる砂の惑星の戦士をゼンデイヤが演じている。

『DUNE/デューン 砂の惑星』

監督/ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演/ティモシー・シャラメ、レベッカ・ファーガソン、オスカー・アイザックほか
2021年 アメリカ映画 2時間35分
10月15日より新宿ピカデリーほかにて公開。
https://wwws.warnerbros.co.jp/dune-movie/

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