専門工房を率いて、超絶的モデルを開発したジュリオ・パピ

  • 文:笠木恵司
  • イラスト:西田真魚

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初代ブレゲを筆頭に、時計界では多くの天才を輩出してきた。現代の時計技術やデザインを大きく飛躍させたカリスマたちを紹介する。今回は、専門工房を率いて、超絶的モデルを開発した、ジュリオ・パピについて語る。

見る者を驚かせ、感嘆させる有名高級ブランドのハイエンドなコンプリケーションは、この工房が開発したと見当をつけても外れることはあまりないだろう。スイスのル・ロックルに立地するモダンな雰囲気のアトリエだが、そのたぐい稀な独創力は時計界に広く知られている。

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ジュリオ・パピ
Giulio Papi (1965~)

1965年にスイスのラ・ショー・ド・フォンで生まれたパピは、時計学校卒業後の86年にドミニク・ルノーとジュリオ・パピが共同で設立した複雑機構の専門工房「オーデマ ピゲ・ルノー エ パピ」に入社。独立後はさまざまな時計ブランドの依頼で超絶的な複雑機構を開発してきた。最近もミニッツリピーターで「美しい音」の解析に成功。機械式時計の伝統に新しい発想を吹き込むプロデューサーでありアーティストといえよう。

210715-07.jpg「ロイヤル オーク コンセプト・スーパーソヌリ」。クリアで豊かな音色で時・分を告げる次世代のミニッツリピーター。3件の特許取得。

※Pen2017年12/1号「腕時計100の物語」特集よりPen編集部が再編集した記事です。