本誌では書けなかった裏エピソード

知る人ぞ知る、古式ゆかしい参拝方法がもたらすご利益とは?

担当:編集K
世界遺産名:原爆ドーム、嚴島神社

広島県廿日市市の瀬戸内海西部、広島湾の北西に位置するのが、日本三景“安芸の宮島”とうたわれる厳島です。海面にそびえる朱塗りの大鳥居や、御笠浜に迫り出すように浮かぶ荘厳な社殿群で知られる「嚴島神社」は、やはり“海からの眺め”がポイント。本土の宮島口から宮島桟橋に向かうフェリーからも大鳥居と社殿を見ることができますが、航路の関係上少し距離があるのが残念……。

今野 知る人ぞ知る、古式ゆかしい参拝方法がもたらすご利益とは?

そこでお薦めしたいのが、古式ゆかしい手漕ぎの遊覧参拝船「艪櫂舟(ろかいぶね)」です。竹竿と櫂をつかってゆったりと進む小舟は、波の音や風を感じながら大鳥居の間近まで行けるのが魅力。平安時代にはこの艪櫂舟に乗って参拝するのが常で、安芸守となった平清盛も利用していたとか。御笠浜から出航し大鳥居をくぐって遊覧するあいだに、船頭さんのガイドによる宮島の歴史や逸話を聞けるのも楽しみです。

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そんな逸話のひとつが、大鳥居の屋根の西側に描かれた“月”の印――。この月を見てから参拝すると「寿命が30年延びる」ともいわれているそうです。乗船場所は境内入口付近、運行は天候が穏やかな3月から11月頃まで、しかも満潮時の昼便のみなので、限られた貴重な機会をお見逃しなく!