海外の人々にとって日本車は「輸入車」。そもそも自動車に対する価値観も異なる。我々とは違う古い日本車の楽しみ方を、「アメリカ」「イタリア」「イギリス」で探った。
このクルマは、ホンダの母のような存在なんだ。
「茂木にあるホンダコレクションホールでの出合いが始まりでした」とマウリッツィオは語り始めた。
実業家でもあり、ラリーに熱中していたマウリッツィオが、ツーリングカーレースの世界に足を踏み入れたのは1996年。「J.A.S. MOTORSPORT」を設立し、98年からホンダ・アコードで戦うようになった。マシンの制作からディストリビューション、サポートを行い、現在ではホンダのワークスチームも運営する。そんな彼はホンダレーシングの本拠地、栃木県茂木で見たオールドホンダに衝撃を受けた。
「僕も集めるべきだと思いました。N360をレストアし所有する。ホンダへの愛の証です」
自身とともに戦ったツーリングカーは社内の展示スペースに年代順にきれいに並べられている。世界選手権で見事優勝したクルマ、スタードライバーがハンドルを握ったマシン……。だがマウリッツィオにとってこのN360は、レーシングカーとは異なる存在。
「N360はホンダにとっての母のような存在。だから欲しかったのです」。マウリッツィオとホンダの深い仲は、レース以外でも続いていきそうだ。
こちらの記事は、Vマガジン Vol.02「世界に誇る名ヴィンテージ こんな日本車を知っているか?」特集からの抜粋です。気になった方、ぜひチェックしてみてください。アマゾンで購入はこちらから。