20年目の超絶複雑機構と、未来が見えるチタンの先進モデル
両天秤の腕時計
文:並木浩一 写真:宇田川 淳

20年目の超絶複雑機構と、未来が見えるチタンの先進モデル

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F.P.JOURNE
F.P.ジュルヌ

「クロノメーター・レゾナンス」は、F.P.ジュルヌが打ち立てた腕時計史上の金字塔だ。いまから20年前に颯爽と登場して専門家たちを唖然とさせたその腕時計にはバランスホイールが2つあり、それぞれが独立して動いている。つながってもいない2つのホイールは連動して逆方向にシンクロして動き、ズレが生じると自ら補完して、誤差を補正するのである。

信じられない不思議は、科学の世界では“共振”と言われる現象として説明される。それを時計に活かしたのは過去にふたり、腕時計ではフランソワーポール・ジュルヌが初めてで唯一だ。以来、その天才時計師の名を冠したブランドの、発想力と技術力のシンボルであり、誰もまねのできないフラッグシップモデル。最新モデルはリューズが2時位置に変更された。腕時計の目利きたちからも一目置かれる、歴史的逸品なのだ。

だとすればそのブランドは生真面目さを貫く古典的ブランドと思うと、先入観を裏切る。「オクタ・オートマチックリザーブ」の新作は、F.P.ジュルヌの型にはまらないもうひとつの顔だ。外装のマテリアルに選んだのは、グレード5チタニウム。古典的ならざる軽量で優れた先進素材を、腕時計全体を覆うためにフィーチャーした。

さらに搭載する自動巻きムーブメントは160時間というとてつもないロング・パワーリザーブ性能を誇る自社製の傑作キャリバーだ。週末だけ着けても、次の週末にまだ動いているのである。その超性能を可視化するパワーリザーブ・インジケーターはもちろん、ビッグデイト、デイ/ナイト表示まで装備する。

天才が気難しいとは限らない。シリアスな作風の裏で、軽やかな未来を描くこともできる。そんなF.P.ジュルヌは当代きっての時計師とそのブランドとして、ずっと注目が途切れないのである。

  • クロノメーター・レゾナンス

    ●手巻き、自社製キャリバー「1520」搭載、プラチナ、ケース径42㎜、パワーリザーブ約42時間(12時位置にインジケーター)、インダイヤル左側に24時間・右側に12時間表示、それぞれの下部にスモールセコンド。¥13,860,000(税込)

  • オクタ・オートマチック
    リザーブ

    ●自動巻き、自社製キャリバー「FPJ1300-3」搭載、グレード5チタニウム、ケース径44㎜、パワーリザーブ約160時間(10時30分位置にインジケーター)、デイ/ナイト表示、ビッグデイト。¥4,752,000(税込)

F.P.ジュルヌ東京ブティック TEL:03-5468-0931

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