1970年代にタイムスリップして、スポーツウォッチに迷う。

  • 文:並木浩一
  • 写真:宇田川 淳

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両天秤の腕時計
文:並木浩一 写真:宇田川 淳

1970年代にタイムスリップして、スポーツウォッチに迷う。

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BULOVA
ブローバ

70年代の趣を味わいたければ、ブローバを選ぶといい。過去の人気モデルの復刻コレクション「アーカイブスシリーズ」には、とびきりの“セブンティーズ”が揃っている。

アーカイブスの奥深さを感じさせる新作が「クロノグラフA “サーフボード”」。ツーレジスターのインダイヤルをオーバルでつなぐ卓抜なデザインが、軽妙なニックネームを生んだ。両方向回転ベゼルの数字はカウントダウン配列、ピストンのような形状のプッシュピース、パンチングの入ったラバーストラップ。オリジナルですら70~71年の2年間だけしか生産されなかったイカした2つ目クロノグラフは、ヴィンテージ・コレクター垂涎のアイテム。もう2度とできないデザインワークの魅力を、ブローバ自身が蘇らせた。

人気モデル「オーシャノグラファー “デビルダイバー”」には、3mm詰めた新サイズが登場した。もともとはブローバが誇る、70年代の高性能ダイバーズウォッチ。当時ブローバはアメリカ軍向けに、防水性能に優れた腕時計を製造・供給していた。ミリタリーユースなミッションウォッチの技術が、プロユースに耐える200m防水を果たしたのがオリジナルの「オーシャノグラファー」だ。防水性能は当初からフィート数で表記されており、その数字〈666〉は、新約聖書のヨハネ黙示録に登場する不吉な“獣の数字”と一致する。そのことから、悪魔のダイバーの異名がついた。ドットに見えるアワーマーカーは、実は円柱状のパーツを指輪の宝石のように爪で留めている。ショッキングなレッドベゼルはスパイシーなアクセント。よりオリジナルに近づいた新サイズは、欧州と日本のみでの販売である。

2つ並べられると、選ぶのに迷う。70年代から飛来したのは、罪つくりな復刻モデルである。

  • アーカイブス シリーズ
    クロノグラフA
    “サーフボード”

    ●クオーツ、ステンレス・スチール、ケース径40.5㎜、ケース厚14.5㎜、クロノグラフ(サブシダリー・ダイヤル×2)、60分積算計、スモールセコンド、シリコンラバーストラップ、ブルー文字盤(ref.98A253)、200m防水。¥69,300(税込)

  • アーカイブス シリーズ
    オーシャノグラファー
    “デビルダイバー”

    ●自動巻き、ステンレス・スチール、ケース径41㎜、ケース厚14.6㎜、3時位置にデイト表示、サファイアガラス風防、ブラック文字盤にレッドベゼル(ref.96B343)、ステンレス・スチール製三連ブレスレット、200m防水(666FEET表記)。¥92,400(税込)

ブローバ相談室 TEL:0570-03-1390