大切にしたい伝統とは、‟目に映ることがない心”――。江戸時代から360...
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大切にしたい伝統とは、‟目に映ることがない心”――。江戸時代から360年の歴史を歩む花火の「鍵屋」とヱビスビール

文:西山亨

大切にしたい伝統とは、‟目に映ることがない心”――。江戸時代から360年の歴史を歩む花火の「鍵屋」とヱビスビール

●天野安喜子(宗家花火鍵屋15代目) 1970年、宗家花火鍵屋14代目の次女として生まれ、2000年に初の女性当主として15代目を襲名。小学生から始めた柔道では、1986年福岡国際女子柔道選手権大会で銅メダルを獲得。引退後は審判員の道へ進み、2008年の北京五輪では日本人女性初の審判員に選出されるなどして活躍。photo:MICHIHARU BABA

音やリズムにもこだわり、人々を魅了する演出を追求

1659年、江戸幕府4代将軍・家綱の時代に創業した花火の鍵屋。この老舗の15代目当主を務めるのが天野安喜子さんです。花火大会を企画し、花火の色や光、形、音を指定し協力工場へ製造を依頼。大会当日は約100名の職人を束ね、花火を打ち上げます。現在、鍵屋では江戸川区花火大会(東京都)や浦安市花火大会(千葉県)をはじめ、全国各地の花火大会を請け負っています。

大切にしたい伝統とは、‟目に映ることがない心”――。江戸時代から360年の歴史を歩む花火の「鍵屋」とヱビスビール

花火大会に欠かせない高速で連続して打ち上げるスターマイン。新しい花火のイメージがありますが、明治時代に鍵屋が海外から持ち込んだものが最初です。

鍵屋が歩んできた360年は変革の歴史といえます。「江戸時代、手に持って楽しむ花火を打ち上げる形式に変え、明治以降に赤や緑、青といった色を付けることに成功。丸い球形に開く花火を開発したのも鍵屋です」と、天野さんが説明します。そして、先代はこれからの花火は演出の時代になると考え、職人の手打ちだった花火の点火に遠隔操作の電気着火を導入。適切なタイミングで打ち上げることで、より印象深い花火が実現可能になりました。

当時は「花火師なのに花火が怖いのか」などと批判されたそうですが、鍵屋は「職人の安全を守るのは責任者の仕事」と反論。昔の花火師は人命の危険性があり、爆音によって難聴になる人も多く、花火師のプライドよりも安全性を重視したのです。

大切にしたい伝統とは、‟目に映ることがない心”――。江戸時代から360年の歴史を歩む花火の「鍵屋」とヱビスビール

かつて花火は職人の手で点火していましたが、現在は鍵屋のように電気点火器による遠隔操作が主流。安全性を高めるとともに演出面でも大きく進化しました。

鍵屋ならではの革新性は天野さんも受け継ぎ、2000年に鍵屋の歴史上初の女性当主が誕生。そして、09年には日本大学大学院で芸術学の博士号を取得しました。「きっかけは、なぜ花火はこれほど人を魅了するのだろうかという疑問。そして、花火の芸術性を高めていきたいという思いもありました。博士課程の後期では花火に音や音楽を取り入れた場合、なにをどう変えると観客の印象が変わるのかという実験的な研究にも取り組みました。」と、振り返ります。その成果が披露されたのは、東日本大震災後の浦安市花火大会。洋火と呼ばれる現在の華やかな花火ではなく、明治以前に主流だった素朴な光を特徴とする和火を取り入れ、さらに音やリズムにこだわったことで多くの人たちに勇気を与えることができました。

大切にしたい伝統とは、‟目に映ることがない心”――。江戸時代から360年の歴史を歩む花火の「鍵屋」とヱビスビール

暗闇の中に感じる、花火の残像を呼び起こすヱビスビール

「襲名して約20年。改めて思うのは、目に映るものは時代とともに変化していくということ。昔の花火がいまの時代に美しく見えるかというと、本当に暗闇だった昔の夜空に映えても、光害の影響があるいまの東京の夜空ではたぶん魅力を感じないでしょう。しかし、安全に対する心や花火を敬う気持ちといった精神的なものは受け継がれ、大事にしなければいけません。まさにこれこそが伝統なのだと思います」

大切にしたい伝統とは、‟目に映ることがない心”――。江戸時代から360年の歴史を歩む花火の「鍵屋」とヱビスビール

打ち上げ花火が丸く花開くようになり、鮮やかな色が付き、スターマインが初めて登場した明治時代。鍵屋によるこれらの偉業で花火が進化を遂げていく中、1890年に開催された第3回内国勧業博覧会で最良好の評価を受けたのが、ヱビスビール(当時は恵比寿ビール)でした。「ヱビスビールを飲んで感じるのは、鼻に抜ける香りが余韻として楽しめること。花火大会終了後、暗闇の中に感じる花火の残像を慈しむ心境に似ていて、こうした感性を大切にし、時代に映える花火へ進化させていきたいと思います」

さて、鍵屋が創業した江戸時代に形を確立させたのが、庶民に愛されている江戸前料理。なかでもいまの時期においしいものといえば蕎麦や天婦羅が思い浮かびます。鍵屋のある江戸川区なら、天候によって蕎麦粉の産地を変えて手打ちする「清かわ」、石臼引きによる二八と十割が楽しめる「蕪村居」、薄い緑色の茶蕎麦で知られる「小岩やぶ」がお薦め。もちろん、どの店でも天婦羅を提供しており、ヱビスビールのしっかりしたコクやまろやかな味わいとも好相性です。


大切にしたい伝統とは、‟目に映ることがない心”――。江戸時代から360年の歴史を歩む花火の「鍵屋」とヱビスビール

江戸時代に庶民の間に広まり、食文化の発展に寄与した江戸料理。江戸前の魚介や近郊の野菜を使ったものが多く、なかでも蕎麦と天婦羅はヱビスビールのコクを引き立てる代表格です。photo:MICHIHARU BABA

先代が考案した富士山を模した壮大な仕掛け花火は、他の大会でも見かけるようになり、演出に力を入れる劇場型と呼ばれる花火大会も増えてきました。音やリズムに力を入れた演出がスタンダードになるに従い、鍵屋の先進性にますます注目が集まるに違いありません。しかし、天野さんは「いまは新しいものイコールいいものと捉えられがちな時代。エキサイティングな花火は依然として人気ですが、わびさびや間の取り方などは日本独特の文化のひとつであり、それを継承するのも鍵屋の使命」と、いいます。日本の文化を残しながら時代に映える花火、そんな絶妙なバランスで歩んできた軌跡の上に、360年の歴史が積み重なっています。

大切にしたい伝統とは、‟目に映ることがない心”――。江戸時代から360年の歴史を歩む花火の「鍵屋」とヱビスビール

麦芽100%で長期熟成。だから香りとコクが深い!

ヱビスビールのルーツは1890年(明治23年)に遡り、ドイツのビール純粋令に則った、戦後初の麦芽100%ビールとなって現在に至ります。さらに通常のビールの1.5倍という長期熟成によって、しっかりしたコクとまろやかな味わいに。厳選したヱビス酵母が生み出す芳醇な香りが、プレミアムな雰囲気を際立たせています。

<Penがお薦めする江戸川区のお蕎麦屋>

清かわ
東京都東京都江戸川区南葛西2-22-1
TEL:03-5659-3288
営業時間:11時30分~14時30分、17時〜20時30分
定休日:木

蕪村居
東京都江戸川区西小岩1-29-5
TEL:03- 5889-2810
営業時間:11時30分~14時、17時30分〜21時
定休日:月・火

小岩やぶ
東京都江戸川区東小岩4-4-6
TEL:03-3657-0386
営業時間:11時〜20時
定休日:木(月1回連休あり)

ストップ!20歳未満飲酒・飲酒運転


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