代官山で1館まるごと「ジャンポール・ゴルチエ」。めったに出回らないオー...

代官山で1館まるごと「ジャンポール・ゴルチエ」。めったに出回らないオートクチュールを目にするチャンス!

文:海老原光宏

代官山は以前、ゴルチエのフラッグシップショップがあった地。そんなメモリアルな場所でのゴルチエ展です。

生粋のパリジャン・ファッションデザイナー、ジャンポール・ゴルチエ。彼のクリエイティビティをめぐるエキシビションが開催されます。1980~90年代のファッションシーンを風靡し、2000年代前半までパリコレデザイナーランキング1位だったゴルチエ。15年にプレタポルテ(既製服)ライン「ジャンポール・ゴルチエ」を廃止し、現在はオートクチュール(注文服)ライン「ゴルチエ パリ」と香水のみの展開なので、ここ数年日本ではあまり馴染みのないデザイナーかもしれません。

しかし、ふつふつとブームの予感です。今年4月のシュプリームとのコラボレーションも記憶に新しいところ。二次流通市場では過去のコレクションが高騰しています。これらの現象は、ラフ・シモンズやヘルムート・ラングなどの90年代ファッションがリバイバルしていることに加え、エイサップ・ロッキーやウィズ・カリファらカリスマヒップホップアーティストがゴルチエのヴィンテージサングラスを着用したことから始まったと考えられます。

ジャンポール・ゴルチエ●1952年、フランス生まれ。ピエール・カルダンのアシスタントを経て、76年に自身のブランドを設立。2004年から2011年までエルメスのウイメンズウエアデザイナーを務める。現在はオートクチュールと香水を展開。

ゴルチエの創作意欲は全く衰えておらず、2018年には自らの半生を原案とし、ファッションと舞台と音楽を融合したミュージカルショー「ファッション フリーク ショー」をパリで上演。もちろん衣装はすべてジャンポール・ゴルチエです。このショーは好評を博しワールドツアー中で、イタリアやイギリスなどを巡っています。過去にはミュージアムでのゴルチエ展が世界中を巡った例があります。彼がつくり出す洋服は観賞と相性がよく、マドンナやマリリン・マンソンのステージ衣装、『フィフス・エレメント』や『キカ』などの映画衣装を制作してきました。ゴルチエのクリエイションはただ生活で着るだけの服ではなく、ファッションの領域を広げるものではないでしょうか。

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