バーバリーのリバーシブルダウンが伝える、“新しいカッコ...

NEWSな服&小物

Vol.52 写真:若林武志 文:森下隆太

バーバリーのリバーシブルダウンが伝える、“新しいカッコよさ”とは?

ビッグパターンで表現したバーバリーチェックが華やかに目を引く。アイコニックな柄は存在感抜群で、しっかりと主張してくれるアイテムだ。

サステナブルの観点でファッションを語る際には、2018年に報じられた売れ残り商品の焼却問題について触れる必要がある。バーバリーをはじめラグジュアリーブランドのほとんどが同様のことを行っていたが、これは触れてはならない“暗黙の了解”だった。問題が明るみに出てからのバーバリーの対応は素早く、同社は即座に姿勢を改めた。2カ月後にはCEOが「現代のラグジュアリーとは社会的、環境的な責任を伴う」とコメントし、廃棄処分の即日禁止、毛皮の撤廃を決めた(なお廃棄処分を禁止したブランドはバーバリーが初めてだ)。さらに社会復帰を後押しする団体への衣装提供や、ファッションスクールへの残反の寄付など、さまざまな面で持続可能なビジネススタイルを模索している。

また、彼らの動きによって真っ先に動いたのがフランスだった。2023年までに売れ残りの洋服や化粧品、家電などの廃棄を禁止する法律が制定されたのだ。これはかなり大きなインパクトがあり、現在ではラグジュアリーブランドが業界を上げて、変革のために動き始めている。


今シーズンのキャンペーンムービーは、こういったサスティナブルな姿勢への変革を象徴するような内容になっている。創業者のトーマス・バーバリーが雨風をしのぐ衣服を考案してから160年以上が経ち、急激な気候変動に合わせて、映像内では雨ではなく大粒の雹が降っている。そんな悪天候をものともせず、BGMの『雨に唄えば』に乗せて、若いダンサーたちが力強く躍動する。このムービーは、ブランドの出自をめぐるストーリーを喚起させつつ、環境問題に対するメッセージへと昇華させていて、SNSでも話題となった。



この映像内でダンサーの一人が着ているがこのジャケットだ。表地はリサイクルナイロン、中綿も使用済みの商品から回収したリサイクルダウンが使われている。1920年代に誕生し、かつては裏地であったバーバリーチェックを表地に使用。英国らしい反骨的なマインドもうかがえる。加えて映像内では、トレンチコートの上に羽織る型破りなレイヤードで見せている。裏はブラックの単色で、リバーシブル仕様。ボトムスは同色かチェックの色を拾った黒のトラウザーズで大人っぽく着こなすのが正攻法だ。

見た目のかっこよさは絶対に譲れない。けれどもいまは服に新たな価値をもたせる動きが進んでいるので、カッコよさの定義もこれからどんどん変わっていくだろう。まずは動画をチェックして欲しい。おなじみのバーバリーチェックが、ひと味違うものとして見えるはずだ。

裏面はうってかわって、ブラック単色のストイックなムード。ショルダー部分はナイロンで切り替えてアクセントに。

フードはジップで取り外しが可能。大ぶりなフードを外してスタンドカラーのみで着れば、よりすっきりとした印象に仕上がる。

BURBERRY  リバーシブル リサイクルナイロン Re:Down® パファージャケット
【価格】¥187,000(税込)
【素材】ナイロン、ダウン、フェザー
【問い合わせ先】バーバリー・ジャパン
TEL:0066-33-812819
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