ファレル・ウィリアムスと最高級コニャック「ルイ13世」がコラボ、100年後まで封印される曲とは?

  • 文:脇本暁子

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グラミー賞11冠の世界的アーティスト、ファレル・ウィリアムスは世界の環境問題に向き合う情熱的な活動家としても知られます。

100年後の世界をあなたは想像したことがありますか? NASAの科学者は1992年以降、世界の海面水位が世界各地で平均8cmも上昇したと発表しました。一説には、地球温暖化で南極大陸の氷がすべて解けると海面は約60m上昇するとか。もし3m上昇すれば、ニューヨークや上海など世界中で多くの沿岸都市が水没し、居住不可能になるだろうという最悪のケースもささやかれています。

先日、フランスの最高級コニャックブランド「ルイ13世」は、世界的アーティストのアメリカ人歌手ファレル・ウィリアムスとコラボレーション。楽曲『100 Years: The Song We’ll Only Hear If We Care』を制作したことを発表しました。ただし、そのリリースはいまから100年後の2117年!

ファレルがつくった曲は、コニャック地方の石灰質の土を原料とする粘土で製作したレコードに録音され、2017年11月に上海で行われたシークレットイベントで一度限り披露された後、「ルイ13世」のセラー内の特別な金庫に100年間封印されます。もし地球温暖化で金庫が水没することになれば、粘土製のレコードは溶け、この曲は永遠に失われるという壮大なプロジェクトなのです。

 「ルイ13世」のグローバル・エグゼクティブ ディレクターであるルドヴィック・ドゥ・プレシは「このプロジェクトは『今日の私たちの行動が明日の世界をつくる』というエキサイティングでクリエイティブな挑戦です」と語ります。

「ルイ13世」は1874年に誕生以来、代々のセラーマスターが最大1200種のオー・ド・ヴィー(原酒)を巧みにブレンドさせ、完成までに100年の時を要します。常に一世紀先を見据えて、次世代へ受け継いできたメゾンなのです。

100年後に私たちの子孫がファレルの楽曲を聞けるのかどうかは、いま地球温暖化に関心をもってアクションを起こす、あなた次第なのかもしれません。

2017 年 11月13 日、上海にて行われたシークレットイベント。ファレル(右)が手に持っているのが粘土でできたレコード。

ファレルの『100 Years: The Song We’ll Only Hear If We Care』の一夜限りのパフォーマンスを終えたレコードは、100年間封印されました。

100人のみが聴けた、一夜限りのプレミア発表会。

鍵も暗証番号もなく、100 年後まで解錠しない特製金庫は、あえて耐水性をなくし、水に沈んだ時に粘土のレコードが溶けてなくなるよう設計されています。

使用するブドウはコニャック地方グランド・シャンパーニュ地区の最高のブドウのみ。100年以上樽熟成させた、1200種類もののオー・ド・ヴィー(原酒)を代々のセラーマスターたちが巧みにブレンドして生み出される「ルイ13世」。この名酒とともにファレルの楽曲が録音された粘土製レコードは、フランスの Fichet Bauche社が設計した特製金庫に封印され、一世紀後の2117年11月13日に自動的に開錠する仕組みになっています。

環境に関するプロジェクトに融資を行う非営利組織「ap bank」を主宰する、音楽プロデューサーの小林武史もイベントに参加。

2017年11月13日、上海にて開催された一夜限りのプレミア発表会には、世界中から100名のゲストが招待されました。日本からは音楽プロデューサーであり環境保護活動家でもある小林武史が参加しています。

「環境問題について、未来の地球をどうしていくのかという激論を交わすだけではなく、これからは遊び心とともにメッセージを伝えていくことが大事」と小林。環境問題に深くコミットし、影響力をもつゲストたちの今後のアクションにも注目です。


●問い合わせ先:レミー コアントロー ジャパン
Tel:03-6441-3025
Louisxiii-cognac.com/jp/100years