デザイナー・藤城成貴さんの腕に馴染んだ「wena wrist」は、どんなシーンにも似合う大人のスマートウォッチです。

  • 写真:殿村誠士(人物)、宇田川 淳(静物)
  • スタイリング:若梅
  • ヘア:AZUUMI
  • 文:和田達彦

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腕時計のバンド部分にスマートウォッチ機能を集約するという発想から誕生したソニーの「wena wrist(ウェナリスト)」。第2世代で「pro」「active」「leather」の充実したラインアップが揃ったwena wristの魅力について、プロダクトデザイナーの藤城成貴さんに語ってもらいました。

藤城成貴(ふじしろ・しげき)●1974年東京都生まれ。桑沢デザイン研究所を卒業後、98年より株式会社イデーに入社。定番商品および特注家具をデザインする。2005年に退社し、shigeki fujishiro designとして個人でデザイン活動を行う。

「久々に腕時計を着けると、身が引き締まるような気持ちがしますね」と語る、藤城成貴さん。バッグなどのデザインを手がける際は、ラフスケッチを描いた後、実物大の試作品をつくるためにカッターなどを使うので、普段から手や腕にモノを着けないようにしているそうです。
「スマートフォンを携帯するようになった頃から、外出時に腕時計をする習慣もなくなっていました。でもこうして着けてみると、いいものですね。僕は、もしまた腕時計を買うなら、アナログ式がいいと思っていたんです。残り時間などがパッと見て一瞬でわかるのがいい」。wena wristのヘッド(時計部分)は、スマートウォッチ機能をもたない純粋なアナログウォッチ。時計らしいその佇まいが気に入ったそうです。

ビジネスシーンにも、休日にも映える。

言われなければスマートウォッチと気づかないほど、腕時計として自然なデザインです。
カジュアルな服装との組み合わせでスポーティさを演出。
スマートフォンを取り出しづらい状況でも、バンド部分で通知をさりげなく確認可能。

「腕時計は、ファッション的につくっているようなデザイン性が強いものではなく、シンプルな”道具感”のあるものがいい」と、藤城さん。また時計に限らず、普段使うものはどんなものにも調和できるデザインが好みだそうです。「たとえば服でも、普段はTシャツにワークパンツなど比較的ラフな服装が多いですが、使う色は2色くらいまで。なんにでも合わせやすいグレー系をよく着ますね」。そういう点でも、モノトーンを基調とした洗練されたデザインのwena wristは藤城さんの目に好ましく映ったようです。
「腕時計のように毎日着けるようなものなら、どんな服にも合わせられるものがいいですよね。これならたまに着るスーツにも合わせられるし、フォーマルな場に着けていっても違和感がなさそうです。服装に合わせてヘッドを付け替えられるのも嬉しいポイントですね」

プライベート、出張に関わらず、旅の相棒としても活躍してくれそう。
かっちりとしたシャツスタイルにもよく映えます。
袖口から覗くメタルブレスは、ジャケット着用のシーンでも違和感なくマッチ。

wena wristは、バンド部分にスマートウォッチとしての機能が集約されています。なかでも新しい「wena wrist pro」は、初代よりスリム化され、一見しただけではスマートウォッチと気づかないほど、メタルブレスとして自然な仕上がり、着け心地となっています。時代のトレンドを追いかけない、飽きのこない時計らしいデザインも特徴的です。「クルマもそうですが、時計って持ち主の趣味や嗜好が伝わりやすいものだと思います。僕はデジタルの盤面を操作するスマートウォッチは時計とは別のものだと思ってしまうし、ガジェットマニアでないこともあって、着けるのは流行に乗っているようで敬遠したくなる。でもwena wristは、時計として違和感なく着けながら、スマートウォッチの機能を使うことができる。昔愛用していた腕時計を着けて使える、という自由さもいいですね」

一般的な多機能スマートウォッチは、新商品が発売されると、それまでのスマートウォッチのサイズ感やデザインをどんなに気に入っていても、またどんなに思い出があっても、1台丸ごと買い替えねばなりませんでした。しかし、wena wristならお気に入りの文字盤はそのままに、バンド部分を買い替えるだけで常に新しい機能を使い続けることができるのです。wena wristは、バンドだけを交換して長く使い続けられ、自然に身に纏える新しいスマートウォッチと言えるでしょう。

"Wear electronics naturally"という発想。

シリコンラバータイプの「wena wrist active」(左)とメタルバンドの「wena wrist pro」。レバーピンを指でつまむだけで簡単に時計部分が取り外せます。ラグ幅は22mmの他、オプションの幅調整用パーツを使用することで18、20mmにも対応します。
ベース文字盤と外周リングの2体で構成された文字盤をもつクロノグラフモデル。左:ヘッド「WN-WC02B-H Chronograph Premium Black WD -beams edition-」¥43,070(税込)+バンド「wena wrist leather Black」¥9,050(税込) 右:ヘッド「WN-WC01B-H Chronograph Premium Black」¥31,190(税込)+バンド「wena wrist pro Premium Black」¥39,830(税込)
wenaブランド初、機械式高性能ムーブメント搭載モデル。衝撃や傷に強い球面サファイアガラス、さらには背面に機械式ムーブメントの動きを確認できるシースルーバックを採用しています。ヘッド「WH-TM01/W Three Hands Mechanical White Head」¥58,190(税込)+バンド「wena wrist pro Silver」¥37,670(税込)
wenaブランド初、ソーラームーブメント搭載モデル。左:ヘッド「WH-CS01/B Chronograph Solar Black Head」¥47,390(税込)+バンド「wena wrist active Black」¥32,270(税込) 右:ヘッド「WH-CS01/S Chronograph Solar Silver Head」¥46,310(税込)+バンド「wena wrist pro Silver」¥37,670(税込)

スマートフォンと同等の機能を詰め込むのではなく、あくまでも腕時計、”スマート”な”ウォッチ”として、本当に必要な機能を厳選して搭載したwena wrist。普段、電話としてはもちろん、メール、Instagramなどをチェックするためにスマートフォンを常に携帯している藤城さんですが、「スマートフォンを取り出して操作できるならそれでいい。でも、たとえば仕事の打ち合わせ中はそうもいかないし、その点では普通のスマートウォッチも同じだと思います。しかしwena wristはさりげなく手首の内側を見てチェックできるのがいいですね。また、いちいちスマートフォンを取り出さなくても電子マネー機能が使えるという点も魅力です」

ビームスとのコラボモデル。金属製の文字盤は、上品な光沢をもちながら限りなく黒に近い色味となるようこだわった仕上げ。ヘッド「WN-WT03B-H Three Hands Premium Black BD -beams edition-」¥26,870(税込)+バンド「wena wrist pro Premium Black」¥39,830(税込)
ビームスとのコラボモデル。緩やかなすり鉢形状の文字盤を採用した三針仕様。ヘッド「WN-WT02S-H Three Hands Silver -beams edition-」¥13,910(税込)+バンド「wena wrist leather Tawny Brown」¥9,050(税込)
ビームスとのコラボモデル。文字盤には同心円状に微細な溝が入っており、光が放射状に美しく映える。ヘッド「WN-WT02B-H Three Hands Premium Black WD -beams edition-」¥26,870(税込)+バンド「wena wrist active Black」¥32,270(税込)

wena wristは、ソニーのロゴではなく「wena」ブランドのロゴを使用しています。「wena wristは腕時計である」という思想から、エレクトロニクスのイメージが強いソニーの名前をあえて外しているわけですが、それはproとactiveの防水性能について、IPXではなく「5気圧」の表記を使用していることからもうかがえます。「僕はウォークマンの時代からずっとソニーファンなんです」と語る藤城さん。
「だから正直wenaも、ソニーのロゴがあってもよかった(笑)。でも最近のソニーは最新の技術を追求しつつも、このwena wristのビームスモデルのように他社とのコラボを行ったりして、柔軟になっていますよね。すごくよいことだと思うし、それはそれでファンとしては嬉しく感じているんです」

バンド部分にFeliCaによる電子マネー機能を搭載。かざすだけで全国のコンビニ、ドラッグストア、スーパーなど45万店舗以上で買い物ができます。
proとactiveは、有機ELディスプレイでスマートフォンへの電話やメール、アプリの通知、電子マネー残高などの各種情報を表示。
1日の歩数や消費カロリー、睡眠の状態などを専用アプリから確認できます。GPSと光学式心拍センサーを搭載するactiveは、移動距離や平均速度、心拍数も計測可能。
「wena wrist pro」と「wena wrist active」は付属のクリップで充電することで約1週間の連続動作が可能。電子マネー機能のみの「wena wrist leather」は、カード型電子マネー同様に充電不要で使えます。
腕時計のバンドの湾曲した部分に、wena wirstの機能すべてが収まる設計となっています。この薄さの中に基盤や表示機能をもたせられることも、ソニーのエンジニアリングが優れていることを物語っています。

スマートフォンとの無線通信機能、FeliCa、有機ELディスプレイやバッテリーなどを搭載し、防水機能までもたせつつも、腕時計のバンドとして最高レベルの機能美、着け心地を兼ね備えているwena wrist。それを実現したのは、ソニーならではの精密なエンジニアリングです。弧を描くバックル部に必要なパーツを収めつつ、極限まで薄くするために、基板からピン1本に至るまで、すべて自社の同一部署で設計を行い、基板に載せるパーツ配置を立体的にコントロール。さらに、配線やリサイクルマークを含めたあらゆるパーツをモノトーンで統一し、ユーザーが目にすることのない内部まで美しさを追求しています。開発者の想いが凝縮されたwena wristは、まさに究極のスマートウォッチと言えるでしょう。

wena wrist 公式サイト http://wena.jp