Feature Culture 【映画監督・枝優花とめぐる、復活の映画館。】前編 思いがけない名作に出合う、2本立ての名画座「早稲田松竹」。

【映画監督・枝優花とめぐる、復活の映画館。】前編 思いがけない名作に出合う、2本立ての名画座「早稲田松竹」。

写真/文:枝優花

かつてあらゆる地域の繁華街に点在し、人々を楽しませてきた「映画館」。街の多くの映画館が姿を消すなか、一度は幕を閉じた映画館が、映画ファンの声に押されて復活を遂げたという実例があります。いったい映画館とは、そしてそれを愛する人の心とはいかなるものなのでしょうか。新進の映画監督・枝優花さんとふたつの映画館を訪ね、その魅力を探ります。

【映画監督・枝優花とめぐる、復活の映画館。】前編 思いがけない名作に出合う、2本立ての名画座「早稲田松竹」。

枝優花(えだ・ゆうか)●1994年、群馬県生まれ。映画監督・フォトグラファーとして活動。2017年に制作した映画『少女邂逅』をはじめ、キリンジやSTU48、indigo la EndなどのMVや写真を手がけている。

かつて娯楽の中心であった映画館。それは物語に心躍らせる場所であり、未知の文化に初めて触れる場所であり、歴史に胸をときめかせる場所であり、恋人と思い出を共有する場所であり……さまざまな思いが交差する場所でした。時が流れ、人々の生活習慣が変わっていく中で、街の映画館は一つひとつ幕を閉じようとしています。しかし、一度はその歴史を閉じようとした映画館が、市民の声で復活したという例もあります。ある種、時代に逆行しているようにも見えるそんな運動を起こさせる”映画館”とは、いったい何なのでしょうか。

その魅力に迫るのは、枝優花さん。クラウドファンディングによって製作費を調達した自身初の長編作品『少女邂逅』が、バルセロナ・アジア映画祭・最優秀監督賞や日本映画批評家大賞・新人監督賞を受賞。みずみずしい感覚で「いま」を切り取り、若い世代から圧倒的な支持を集める新進気鋭の映画監督です。

前篇で訪れたのは、枝監督にもなじみの深い「早稲田松竹」。映画と映画館、それにまつわる人々を愛する枝監督が、自身の言葉と感覚でその魅力を探ります。

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Feature Culture 【映画監督・枝優花とめぐる、復活の映画館。】前編 思いがけない名作に出合う、2本立ての名画座「早稲田松竹」。