普段何気なく使っている百貨店の紙袋から、旅先で過ごすホテルの客室、世界中で愛されるテキスタイルまで。優れたデザインには、身近なものの見方を変える力がある。
日本パッケージデザイン大賞に輝いた大丸松坂屋のショッピングバッグ、色彩豊かに生まれ変わった北欧のホテル、そしてマリメッコの名作。思わず見入ってしまう、注目のデザイン3選を紹介する。
大丸松坂屋の紙袋が、日本パッケージデザイン大賞を受賞

公益社団法人 日本パッケージデザイン協会(JPDA)が2年に1度開催する、日本パッケージデザイン大賞。これまでに日本を代表するトップクリエイターや大手企業のインハウスデザイナー、デザイン制作会社が入選を果たし、デザイン界で大きな注目を集めている。「日本パッケージデザイン大賞2027」では総数1,098点の応募作品の中から大賞1点、金賞7点、銀賞11点、銅賞9点のほか、特別審査員賞5点が選出された。
丸と四角の色紙が生む、大丸松坂屋の豊かな模様
同賞で大賞、金賞/特別審査員賞、銀賞の4冠を受賞したのが、三澤デザイン研究室だ。大賞に輝いた「大丸松坂屋百貨店 ショッピングバッグ」は、大丸松坂屋百貨店のビジュアルアイデンティティである「百様図」をデザインとして可視化したもの。百様図とは、創業300年を経て価値観を共有する大丸と松坂屋が、一人ひとりの顧客の価値観と重なり合う豊かな調和のシンボルだ。丸と四角に切り抜かれた色紙を数枚重ねることで図の中にさまざまな模様を見出すことができ、紙を1枚動かすだけで新しい模様が生まれる。実際の紙だからこそ見える質感や、わずかな陰影までもが模様の一部として生かされている点も興味深い。

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北欧の老舗ホテルが、色彩豊かな44室に生まれ変わった
1971年に開業した老舗「アスコット・ホテル(Ascot Hotel)」が一部改装され、創業者の名を冠した「ヘンリクス・ホテル(Henrik’s Hotel)」が新たにオープンした。
「レンタカーやクリーニング業から始め、ホテルを創業した祖父の家族的なホスピタリティを継承しています」と語るのは、創業者の孫で現オーナーのひとり、ユリエ・H・ハマー。その伝統に敬意を示しつつ、シンプルな北欧スタイルの枠を越え、色彩豊かで現代的なデザインが調和する空間を目指した。44室の客室とスイートはそれぞれ異なるインテリアを纏い、没入感のある体験をゲストにもたらす。北欧旅行のホテルリストに加えたい一軒だ。

市庁舎や観光スポットのチボリ公園などに近い、便利な場所にある。1泊1,300DKKより。朝食は別でひとり255DKK。photo: Henrik’s Hotel

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マリメッコの大胆な模様は、なぜ愛され続けるのか?
鮮やかな色彩と大胆な模様によって、ファッションからインテリア、テーブルウェア、小物に至るまで私たちの暮らしを明るく彩るデザインを生み出してきたマリメッコ。東京都庭園美術館で12月20日まで開催中の『マリメッコ展 模様のちから Marimekko: Art of Printmaking-Beauty, Dream, Love』では時代や国境を超えて広く愛されるマリメッコの美学とその創造の背景に迫る。

暮らしを彩る、3,500種類以上のプリントデザイン
マリメッコはフィンランドを代表するデザインハウスとして、アルミとヴィリヨ・ラティア夫妻により1951年に設立され、以来3,500種類以上ものプリントデザインを送り出してきた。その創造を支えるのは、手仕事のぬくもり、色の響き合い、そして自由で前向きな精神である。ヘルシンキにあるプリントファクトリーではデザイナーやアーティスト、熟練した職人たちが協働しながら、新たなデザインの可能性を追求し続けている。