【大丸松坂屋の紙袋が大賞に】丸と四角の色紙が生む美しい模様。三澤デザイン研究室が4冠

  • 文:久保寺潤子
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大丸松坂屋百貨店 ショッピングバッグ

公益社団法人 日本パッケージデザイン協会(JPDA)が2年に1度開催する、日本パッケージデザイン大賞。これまでに日本を代表するトップクリエイターや大手企業のインハウスデザイナー、デザイン制作会社が入選を果たし、デザイン界で大きな注目を集めている。「日本パッケージデザイン大賞2027」では総数1,098点の応募作品の中から大賞1点、金賞7点、銀賞11点、銅賞9点のほか、特別審査員賞5点が選出された。

丸と四角の色紙が生む、大丸松坂屋の豊かな模様

同賞で大賞、金賞/特別審査員賞、銀賞の4冠を受賞したのが、三澤デザイン研究室だ。大賞に輝いた「大丸松坂屋百貨店 ショッピングバッグ」は、大丸松坂屋百貨店のビジュアルアイデンティティである「百様図」をデザインとして可視化したもの。百様図とは、創業300年を経て価値観を共有する大丸と松坂屋が、一人ひとりの顧客の価値観と重なり合う豊かな調和のシンボルだ。丸と四角に切り抜かれた色紙を数枚重ねることで図の中にさまざまな模様を見出すことができ、紙を1枚動かすだけで新しい模様が生まれる。実際の紙だからこそ見える質感や、わずかな陰影までもが模様の一部として生かされている点も興味深い。

3枚の紙で包む、オム プリッセ イッセイ ミヤケのスカーフ

金賞と特別審査員賞のダブル受賞となったのはオム プリッセ イッセイ ミヤケ(HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKE)のスカーフシリーズ「ANTIPASTO」のパッケージデザイン。イタリア語で「前菜」を意味するアンティパストのように、小ぶりでありながら印象的な存在感を放ち、日常に彩りを添えるスカーフ。それを包むためのパッケージに取り入れたのは、帯状の3枚の紙を輪にして組み合わせた簡潔な構造だ。イッセイ ミヤケの哲学である「一枚の布」を軸に実験的なプロセスを重ね、そこから要素を削ぎ落としていくことで、コロンと愛らしいフォルムが完成した。

 

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ANTIPASTO SCARF

糊もシールも使わない、一枚の波板から生まれた包み

続いて銀賞に選ばれたのはオム プリッセ イッセイ ミヤケがフランス人デザイナー、ロナン・ブルレック氏の作品『Drawing』から着想したマフラー、スヌードのパッケージデザインだ。一枚のオリジナルの波板にプロッターカット加工を施していくつかのスリットや穴を開け、そのスリットに製品を挟み込んで固定し、ロール状に巻き込む仕様。波板の中には留め具として機能するベルトの帯と穴もカット加工されているため、シールや糊などをいっさい使用せずにパッケージをロックすることができる。このロール状のパッケージは、広げると一枚の白い紙に描かれたロナン・ブルレック氏のドローイングのように、製品が色鮮やかに登場する。

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RB_DRAWING SCARF / RB_DRAWING BEANIE

ブランドの哲学を軸としながら、そのイメージをより鮮やかに私たちに伝える三澤デザイン研究室。私たちの毎日の生活を楽しくしてくれる、パッケージデザインの魅力に注目したい。